普通級と支援級について

【普通級か支援級か】
過酷な選択についてお話をしています。

【普通級と支援級①】については、
こちら→
【普通級と支援級②】については、
こちら→☆☆

今日は、
支援級から普通級への転学についてです。

以前は支援級→普通級への転学は
認められていませんでしたが、
現在は支援級→普通級への転学は
認められています。

支援級→普通級への転学のご相談、
その後のフォローをさせていただいた経験を
お話します。


やはり、支援級→普通級への転学の
ハードルは高いです。

支援級の進度は、ゆっくりなので、
普通級は、
どんどん先を行っています。

このお話は、
普通級に入学したお子さんでした。
2年生になるタイミングで
支援級へ転学しました。
適応を見守るフォローアップを行い、
一旦、終結となりました。

ある日、急にご相談の予約が入りました。
4年生頃だったでしょうか。

よくよくお話を聞くと、
お子さんがある日校長室に行き、
「普通級に戻りたい。私も教科書が欲しい!」
と訴えたとのこと。

ちょうど、支援級→普通級への転学が
話題になったタイミングでもあったので、
モデルケース的に、
5年生から普通級に戻りました。

なんとか、小学校を卒業後し、
中学は支援級に入学しました。

これは、かなり珍しいお話だとは思います。
それくらい、支援級→普通級というのは、
ハードルが高いのが現実です。

おこさまの強い希望(意欲)
学校の理解
保護者さまの理解
支援級の理解
普通級の理解

が必要です。
このお子さんは、
自校内に支援級がありましたので、
関係者の共通理解が整ったのだと思います。

自校内というのは、
学区の普通級と、
近隣の支援級が同じ学校という意味です。

個別のペースで、
出来ることを積み上げる支援級と
大きな集団のなかで学んでいく普通級では、

スピードの違い
最終目標の違い

などがあり、
支援級→普通級の転学は
簡単には進みません。

ただ、以前より、
支援級から取り出して、
普通級で授業を受ける取り出しの取り組みは
進んでいるような感触はあります。

ま、これも
学校次第、
校長次第、
教育委員会の方針
というところもあり、一概には言えません。

このお話の場合、

お子さん自身が納得する

ということが、とても大切なことでした。
個別性からの判断です。

以前(15年前)よりは、
取り出しや普通級への転学は
増えているとは思います。

理想のインクルーシブ教育とは
かけ離れた現実ではありますが、
それでも、一歩でも進まないと、
理想には近づけないという点においては、
進んでいるとは思います。

それに過剰な期待はしない方がいいですが、
牛歩なりに進んではいるとは願っています。


普通級が上
支援級が下

という観点ではなく、

お子さんのニーズ
保護者さまの希望
学校体制
検査結果
行動観察

さまざまな条件のなかで、

悩むことが大切なのだと思います。

どれが正しいかなんてわからない
パラレルワールドはない

ちゃんと、お子さんのことを思って、
悩んだ決断が必要なのだと思います。


次回は、
就学相談についてお話したいと思います。

どうして悩むことが大切なのかを
お話したいと思います。