【普通級か支援級か】
過酷な選択についてお話をしています。
【普通級と支援級①】については、
こちら→

支援級への転学へのタイミングについて。

お子さんの成長は
きれいな正比例ではありません。
それでもどこかのタイミングで
支援級について
検討されることもあると思います。

やはり、中学進学が
大きなタイミングではと思います。


まずは、そもそも支援級とは何か?
について考えたいと思います。

特別支援学校とは、学校教育法に定められ、
当該障害に応じた特別の指導を行う必要が
あるものを教育するとされています。

詳しくは文科省のホームページで確認してください。

ここでは、そういう堅い話ではなく、
実務的なお話をしたいと思います。
持論、経験則も含まれます。


いきなり話は飛びますが、

仕事をする上で
最低限必要な学力は
小学校3年だという話があります。

算数で言えば、
九九が出来ること
簡単な割り算が出来ること
というところでしょうか。

確かに、実際働いていて、
その辺りのスキルまでは
必要そうだなと感じます。

つまり、
小学校3年くらいまでの学習を、
義務教育9年でやるのが
支援級と捉えてもいいのではと思います。

就職、就労にも色々な形がありますので、
別の言い方をすると、

支援級は
自立に必要な学習、
生活力、
集団行動、
コミュニケーションスキル、
などを身につけるところと言えます。

もちろん、
それは普通級でも取り組みます。
最終目標の設定や道のり、ペースの違いがあります。


支援級の全体的イメージを
持ったところで、、、

普通級に入学したと仮定して、
支援級への転学のタイミングを
整理します。

①小学校2年生から

②小学校3年生から

③小学校5年生から

④中学入学から

 それぞれ解説していきます。

①2年生から
新1年生入学するときから、
普通級か支援級か
とても迷って
普通級にしたけれど、
やはり支援級がいいのでは
というケースかと思います。

②3年生から
クラス替えのタイミング
(毎年クラス替えの学校もありますが)と、
発達段階でも節目となる時期です。

ここから、学習が抽象的になってきます。
また、人間関係も複雑になってきます。
色々とストレス、負荷がかかる時期を前に
転学を決断するタイミングです。

③5年生から
より学習が難しくなってくること、
思春期の入り口になり、
人間関係がさらに複雑になること、
自己肯定感の低下が
顕著になる時期であることなどが
理由です。
*自己肯定感については、
もっと前から影響がありますので、
この時期から
自己肯定感の低下が始まるわけではありません。

ある支援級の先生から
言われたことがあります。


普通級でお客さまのように過ごしてきて、
誰かがやってくれるという生活に
慣れてしまっている子が多い
「中学の勉強が大変だから、、、」
「せめて小学校は普通級で、、、」
その気持ちはわかるけれど、
お客さまの6年間を過ごし、
中学になって支援級へ転学したとき、
不適応を起こす子も多い
出来るのなら、
小学校5年生、もしくは6年生から
支援級に来てほしい


似たようなお話を複数の先生から
聞いています。

これは、私は
支援級の先生のプライドだと思います。
“支援級は下じゃない”
支援級の先生の覚悟です。

支援級はゆっくりペースですが、
できることから、
確実に必要なことを積み上げていきます。

とっても難しい応用問題はやらないけど、
基礎はしっかり積み上げていきます。
当番も然り。
集団行動も。
ゲームのルールも。

出来ることはやります!の精神です。

もちろん、普通級もそうですが、
支援級のような個別に合わせた
細かい設定やペースではありません。


ゆっくりペースならできるのに、
全体についていくために、

今回は、、、
この場合は、、、と、

必要以上の支援やフォローをする場合があります。
さらに、
普通級ではフォローしてもらう側でも、
支援級ではまとめる役になる場合もあります。
そのことが、
お子さんの心の成長に
どんな影響があるでしようか。

お客さまの小学校を過ごし、
支援級の中学へ進学すると、、、
小学校から支援級のお子さんの方が

(あえて、嫌な言い方をしますが、)
自分よりもIQの低いお子さんの方が

身の回りのこと、
漢字の読み書き、
計算など
基本的なことがしっかり身についている

ということが、多々あります。
本当のお話です。

そもそも、IQって本当なのか?という
問題もあるのですが。。。
それはさておき。

普通級か、支援級か、
どちらかが上で、どちらかが下か
ではありません。

普通級だからたくさんのスキルが
身につくというわけではないのです。

だからといって、
普通級がダメだというわけでもありません

普通級か、支援級かの迷いの背景に、

支援級に下がる
支援級では学びが少ない

という思い込みがあるように思うからです。

④中学入学から
節目として、
お子さんも保護者さまも
切り替えやすいタイミングです。
ただし、二重の環境変化になりますので、
入学後は特に注意深い見守りが必要です。


大きく4つのタイミングを整理しました。
しかし、本当の転学は、
個別な事情を加味することが
とても、とても、大切です。

【4年生での転学がいけない】
という意味ではありません。

一概には言い切れませんが、
個別性を含まず言えることとして、
お読みいただけるとうれしいです。


さて、次は、
支援級→普通級への転学についてお話をしようと思いますが、

長くなってきたので、
次の記事にしたいと思います。