ゴミ発電(廃棄物発電)と余熱利用
ごみ発電はゴミを焼却した熱を活用して発電をすることです。廃棄物発電とも呼ばれます。バイオマス発電に分類されます。ゴミを燃焼させた蒸気でタービンを回します。その発電させた熱を廃棄物処理施設で活用したり、余った場合は売電している施設もあります。何に使っているかは施設によって違いますが、①場内建築関係利用 施設で使用する電力を賄う給湯や暖房、冷房など②場内プラント関係 施設で直接ゴミの焼却に関するものに利用する誘引送風機のタービン駆動、白煙防止など③場外熱回収設備 コミュニティセンターや温水プール、温室などのごみ焼却場とは別施設で利用する④発電 売電するの4つに大まかに分けられます。また、日本のごみ焼却場は平成29年度で全国に1103施設あります。その中で余熱利用をしている施設が754施設、発電設備がある施設は376施設です。「一般廃棄物処理事業実態調査の結果(平成29年度)について」の9ページ目のグラフの数値を参考に少し書き換えてみました。リンク先URL https://www.env.go.jp/press/106564.html平成29年に新設された施設が43施設で、余熱利用をしている施設が754施設で変化はありませんが、余熱利用の内訳は変わっているので余熱利用や発電をしている施設が新しく作られたのかなということは推察できます。現在は総発電電力量9,207GWh(約310万世帯分の年間電力使用量に相当)となっています。平成21年度の環境白書のp202によると、平成17年度は7090GWh、平成18年度は7190GWhとなっており、発電量は年々増加傾向です。発電効率も平成17年度の10.70から現在は12.98と少しずつですがよくなっています。環境白書は環境省のウエブサイトのほうでも閲覧できます。こちら(リンク先URL https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/index.html)環境白書は幅広い範囲のことがかなり分かりやすく書いてあると思います。基本となるデータなので、個人的にはその内容を踏まえたうえで別の本などを読むといいと思います。ゴミ発電は他の発電に比べるとかなり発電効率が悪いですが、ゴミを燃やすことがメインなので燃焼効率の悪さは仕方ないといえば仕方ないかもしれません。ちなみに北九州の皇后崎(こうがさき)工場では以前、蒸気をボイラーで再び加熱するスーパーごみ発電というのを導入していました。発電効率は通常のごみ発電よりも高いですが(26%ほど)、通常のごみ発電とは違い、ボイラーを再び過熱する分の燃料がかかります。燃料は天然ガスを利用します。天然ガスの高騰により赤字が続いたことで、三年ほど前にスーパーごみ発電での稼働を断念し、今は通常のごみ発電を行っているようです。日本ではほかに三か所千葉市新港清掃工場、群馬県高崎市高浜クリーンセンター、大阪府堺市クリーンセンター東工場第二工場がスーパーごみ発電を取り入れています。高崎市高浜クリーンセンターは群馬県のウエブサイトによると今は北九州と同様にスーパーごみ発電は行っていないとのこと。堺市クリーンセンター東工場第二工場は改修後のパンフレットを見る限りしていないように見えますが、確実性がないですね。千葉市新港清掃工場のほうは何も記載されていないということは現在もスーパーごみ発電を行っているのかもしれません。また、ゴミを固形化して燃料にするRDF(Refuse Derived Fuel)やRPF(Refuse derived paper and plastics densified Fuel)という方法もあります。廃棄物固形燃料とも呼ばれています。最初に開発されたのはRDFのほうで、家庭からでたごみを分別して固形にしたものです。乾燥させるので、普通のゴミよりも長持ちする、運びやすい、発電効率がいいというメリットがあり、1990年代後半から導入されました。ただ、そのためには様々な水分量を減らすなどの燃料として利用するための加工が必要となります。発電効率は25パーセントとも言われ、普通のごみ発電よりは高い発電効率が見込まれます。ただ、RDFは順調とはいかず、2003年に現在の三重県桑名市でRDFのサイロから生ごみの発酵が原因ではないかと思われる火災が起こるなど、トラブルも起こっています。また、塩素濃度が高いため、塩化水素やダイオキシンの発生や、炉が悪くなってしまうなど導入が難しいということがあります。三重県のRDFの発電所は今年の9月で撤退しています。他のRDF発電所でも同じように撤退が決まっている地域もあります。石川北部RDFセンターや広島県の福山リサイクル発電所、大牟田・荒尾RDFセンター、茨城県の広域鹿嶋RDFセンターや広域波崎RDFセンターなどです。もちろん、まだ稼働している発電所もあります。以前は次世代の燃料のようなことを言われていましたが、理論上の話と実践をした結果は大きく異なるんだろうなというのを実感しました。少し前から作られるようになったのは、RPFと呼ばれる古紙やプラスチックなどの材料を限定した固形燃料です。RPFは家庭ごみではなく、産業廃棄物を利用しています。材料を限定し、かつ出した人が明らかになるというのは品質を保つためには必要なのかもしれません。99.9%の人が分別をしても、0.1%の人が正しい分別をしなかった場合、それが原因で事故が起こってしまう可能性もありますしね……。