私はもっと早く母を呼び寄せるべきだった。
姉との折り合いが悪いと分かっていても
”母は自分の家を離れたくはないはず”と思い
どうにか二人がうまくやっていけるようにと
そればかり考えていた。
3年前に母が
「お母さんはお前と暮らしたほうがよさそうだ。将来的にね。」
と言ったのは、私に発したSOSだったんだ。
「うん、そうしたら?」と言ったものの
お互いにそれ以上話を具体的にすることはなかった。
母が2月に転院して間もない頃、
姉に「お母さん、まだ笑わないね」と言うと
姉は「普段から笑わないよ」と平然と言った。
ハッとした。言葉も出なかった。
私たちの前では母はよく笑う。
そんなはずはない。
実の母娘で遠慮がない分、時々衝突しても根深いものはないと思っていた。
私が母を想うように、当然姉も母を想ってくれていると思っていた。
でも、それは私の思い違いだったと今になって分かった。
母は姉夫婦との生活に疎外感を感じていたのだと思う。
私は母のSOSを見逃してしまった、、、。
あの時、
私がすぐに母を迎えに行っていれば、姉から引き離していれば、
母は今も元気に笑って過ごしていたに違いない。
悔やんでも悔やみきれない。
姉を責めたいのに、
最後はいつも母の気持ちに気づけなかった自分を責めることになる。
お母さん、ごめんなさい…。