母が倒れた2日後の12月25日午後に手術が行われた。

 

キーパーソンは同居する姉なので

姉夫婦が午前中に医師から術前の説明を受けていた。

出血の範囲は広かったらしい…。

 

 

手術室に入る前に、姉と私だけが面会を許された。

左半分の髪の毛はきれいに剃られていた。

母は私たちの声掛けに、言葉にならない声を出し 涙を流した。

私達は母の手をとり、髪を撫でた。

「お母さん、大丈夫よ! ここで待ってるからね 頑張ってね!」

 

 


予定の3時間より30分ほど早く手術が終わった。

医師からの説明では、

「悪い所は全て取り除きました。

 難しい手術ではありませんでしたが、この白いものが何か分からないので

 検体に出します。腫瘍の可能性もあります。」と

ビニール袋に入った白くぶよぶよした物を見せてもらった。

 

え?腫瘍?

脳腫瘍ってこと?

ほっとしたのも束の間。

不安なまま検査の結果を待つことになった。

 

 

暫くして母が手術室から運ばれてきた。

お母さん、よく頑張ったね、本当によく頑張ってくれた。

 


 お父さん、ありがとう。

 手術は無事に終わったよ。

 お母さん、頑張ってくれたよ。

 でもね、腫瘍があるかもしれないって。

 どうか悪い物じゃありませんように…。