姑~1 | 竹輪屋忘備録

忘れないうちに記録しておく

 

12月下旬にさしかかる頃、昼間に運動したのもあって心身ともにリラックスしていた。

夜七時過ぎに自宅の電話が鳴った。

知らない番号からの電話に躊躇しながら受話器をあげる。

 

女「姑さまと一昨日から連絡がとれないのですが、どうかされましたか?」

ちくわ「様子を見てきて折り返し返事します。」

 

独居老人の姑、元気に毎日過ごしているので大丈夫だろうが

そわそわした気持ちで徒歩5分の義実家へ向かう。

 

玄関に到着。新聞が郵便受けにささったままになっている。

几帳面な姑は毎日朝夕の水まきをするのに水をまいた跡がない。

家の中が暗い。不在なのか旅行にでも行ったか。

 

もしかしたらと不吉な予感がよぎる。

だとしたら早く発見して救急車を呼べば助かるかもしれない。

玄関の引き戸に鍵を差し込む。

この玄関には鍵が三か所あって、表からは二か所の施錠が、内からは三か所施錠できる仕様

前からこの錠が苦手で案の定開けるのに手こずった。

 

手こずりながら思った。警察を呼んで開けてもらったほうがいいのではないか。

救急車の手配、万が一の時の対応、元気に在宅していたらお騒がせしましたで済む。

帰宅途中の主人に連絡を入れたらまもなく到着する頃だったので一緒に警察に行くことにした。

 

最寄りの交番で事情を話して義実家へ同行してもらった。

主人が開錠して、警官二人が先に家に入っていく。

室内に死の空気を感じる。

 

リビングを抜けて和室を抜けて、奥の階段へ

「発見!」

警官の声が家に響いた。

 

続いて

 

「呼吸なし」

 

衝撃が走った。