アメリカ大統領選で民主党のバイデン現大統領の高齢問題が焦点になっている。YouTubeにも過去のつまずく姿や言い間違いのシーンがアップされていて、気の毒であるとともに、これから4年間大国アメリカの指導者をつとめられるのか、他国のことながら心配になってくる。

 

 元東京都知事の石原慎太郎さんの自宅近くに住んでいた友人が、「時々歩いている本人を見かけるが、老人以外の何物でもない。テレビに出ている時と比べて10歳以上老けている」と言っていた。政界を引退して築地市場移転問題で聴取が行われる2016年前頃の話だから、現在のバイデン氏と同じくらいの歳だったろうか。世の政治家、公の場では若作りに励むわけで、その点を差し引くとバイデン氏の私生活における姿は更なるおじいさん、ということになる。

 

 出馬を最後に決めるのは本人だろうが、ある程度周囲が御しやすく民主党陣営全体の同意を得られるのはバイデン氏くらいしかいないということか。建国から今日まで、卓越した大統領を輩出し(もちろんそうでない者もいた)世界を指導してきたかの国が、これほどの人材難に陥っているのは一時的な現象か。人材はいるが、そうした者がリーダーシップをとれない政治制度になってしまっているのか。民主党・共和党によって分断されたアメリカ、というのはよく聞く話だが、今回の事態をアメリカ政治、ひいては現代の民主主義の行きつくはてとしてとらえるアプローチがあるかもしれない。

 

2011年タイ・バンコク - シンガポールからバンコク支店を訪問。こじんまりした事務所だが、高層階からの眺めは絶景。こんなところで毎日働ければな。