【訪問日:2012・3】
パリにある3つ星レストランの中でも予約を取るのが最も難しいと言われているのが、シェフのパスカル・バルボとメートル・ドテルのクリストフ・ロアがオーナーを務める『アストランス』
『カンテサンス 』の岸田シェフ、2011年にフランス版ミシュランで日本人初の2つ星を獲得した『パッサージュ53(Passage 53) 』の佐藤シェフが経験を積まれたお店として、日本でも有名だと思います
外観
バターや生クリーム、ソースを極力使わないというこちらのお料理が、私達好みのフレンチではないことをは明白なのですが、パリの3つ星レストランには全店行ってみたいという願望、そしてランチではなくディナーの予約が運良く取れてしまったので、今回初訪問となりました
ちなみに、パスカル・バルボ氏が以前スー・シェフを務めていた、1996年より3つ星を守り続けいるアラン・パッサール氏の『アルページュ 』は、また是非行きたいお気に入りのレストランです
店内
控えめな外観と同様に、店内にも華美やさ重厚感はありませんが、グレーを貴重としたシンプルな中にも華やかさがあります
鮮やかなイエローチェア、料理を美味しく見せるライティング、さり気なくディスプレイされたフラワーアレンジメントなど、全てが美しく素敵な空間
中でも、今回私達が案内されたのは、螺旋階段を上がった先にある中二階の特別感漂う席
店内を見下ろしながら、周りを気にすることなくゆったり食事が楽しめる最高の席でした
メニュー
ディナー、ランチ共にメニューはなく、ヒアリングによってその客の嗜好に合わせた料理を提供する”おまかせスタイル”
現に、1Fの客と私達に出されたメニューには違いが見受けられました
1品目のアミューズは、「なんのスープか分かりますか?」と、イキナリ己の味覚が試されるスープ
ネタバレになってしまうので食材名は書きませんが、私は不正解だったものの、主人が見事正解を当ててくれたのでホッとしました
アミューズ2品目は、ローズマリーバターをのせたブリオッシュと他1品
ヴェルジュでマリネしたフォアグラと生のシャンピニオン、青リンゴを重ねた、まるでミルクレープのような美しいスペシャリテ
レモンコンフィやヘーゼルナッツオイルと合わせて食してもいいですが、そのままでも十分に素晴らしい美味しさが広がります
芸術的な逸品で、美味しさも格別でした
パンはカンパーニュ
昆布の佃煮をあしらった帆立と牡蠣 オイスターリーフ添え
柚子も香りづけ程度に使われていました
アスパラガスのクミン風味 マーマレードソース
北海道産の極太アスパラよりも太いアスパラガスは、食感、味わいともに過去最高レベル
淡白な鱈に合わせるのは、なっなんと味噌ソース
フレンチで味噌、もちろん初めてです
フォアグラのコンフィ トリュフ添え
メインは仔羊のロースト
驚くほどジューシーではありましたが、もう少しラムっぽさがあっても良かった気がします
そして、左下の長方形の物体は、まさかまさかの茄子味噌田楽
この日、二度目の味噌との出会いです
お肉の後は、怒涛のスイーツ攻撃
バニラアイスを浮かべたじゃがいものフロマージュブランにはじまり、
チリペッパーがきいたレモンとジンジャーのソルベ
キャラメル風味のレモンクリームタルトとココナッツ系が2つ
そしてエッグノッグと、基本的にそこまで甘い物が食べられない私にとって、アヴァン・デセールを含め計6品のデセールはさすがにキツく、最後の頃は若干気持ち悪くなってしまいました
しかも、ミニャルディーズもマドレーヌとポーション多めのフリュイ
正直、私はこれだけで十分です
持ち味を最大限いかすよう調理された食材に独創的なアレンジが加わり、どのお料理も視覚だけでなく舌でもしっかり楽しませてもらいました
ただ、既出のようにフレンチはクラシック派の私達にとって、こちらのお料理はライトすぎて、やはり物足りなさが残ります(デセール攻撃のおかげで、お腹はいっぱいになりましたがw)
日本の和の食材を巧みに使用した、食後感が重くない美しくヘルシーな料理たち
ディナーコースが€210/1人、ワインペアリングでも€330と、3つ星にしてはリーズナブルなお値段
雰囲気はありながらも、気合を入れてドレスアップしなければならないような敷居の高さは感じさせない等、モダンフレンチが好きな方には魅力的なレストランに違いないと思います
L'Astrance
住 所:4 rue Beethoven, 75116 Paris
電 話:01-40-50-84-40
H P:http://www.astrancerestaurant.com/
金 額:700€(¥77,907)