かの有名な『吉兆嵐山
』で30年の経験を積み、天才料理人とも称される石原氏が、2004年に円山公園の一角にOPENさせた『未在』
既に成熟されつくしたした料理人であるにも関わらず、「未だここに在らず」という意味を込めた店名が、ここはまだ石原氏の集大成ではないと語っている気がします
当然ながら、ミシュランでは日本版(関西版)の発売当初より三ツ星を獲得されている、名実ともに日本屈指の名店です
そんな未在に対し、アラサー夫婦の私達はまだ敷居が高すぎるのではと思いつつも、運良く昨年の11月、京都の紅葉が見頃の時期に予約を取ることができましたので、念願かなっての訪問となりました
こちらは17:45来店厳守、18時から来客全員の食事が一斉にスタートする、遅刻は絶対に許されないお店
そのため、宿泊していたホテル<ホテルグランヴィア京都 >を余裕を持って17時過ぎに部屋を出発するも、そこは一年で最も賑わう紅葉シーズンの京都
駅前を出てすぐ渋滞にハマり、無事に付くかと冷や汗ものでした
それでも何とか17:30には到着でき、オープン時間まで外のベンチで熱い番茶をいただきながら、暫し待機となりました
多くの美食家たちが毎晩こぞって来店される店内は、カウンター10席のみ
この少ない席を巡っての予約はもちろん簡単なものではなく、希望日の予約が取れるのは、2011年11月時点で6~7ヶ月後と伺いました
※ 店内での撮影は禁じられていますが、上記の画像は他の方が帰られた後、特別にお許しをいただき撮影しました料理
これらの料理というより、もはや芸術品と呼ぶに相応しい素晴らしい料理たちを、カメラに収めることができなかったのは、本当に残念です
サービス
ゆうに2回り以上は違うであろう他の年配客とは、見た目や言動からして明らかに異なる私達にも、別け隔てなく接してくださったり、陳腐な問いかけにも丁寧にご回答いだたいたりと、石原氏は穏やかで大きな懐をお持ちの方だと実感しつつも、その体から放たれる溢れんばかりのオーラというか貫禄に、まだ人生経験が乏しい若輩者の私たちは、緊張を通り越してやや萎縮気味
これは、石原氏の人物像だけでなく、京都特有の一斉スタートという風習、そして度を越している料理のボリュームも大いに関係していると思います
この一斉スタートという、他人の食べるスピードに合わせて自分の食べるペースを考えなければならないスタイル
そして、次の料理のことを考えて食べる量を調節しなければならないほど、ボリュームのある料理
これは、日本が、日本料理が大切にしている”おもてなし”の心に、いささか疑問符が付く行為だと私は感じました
一斉スタートについては、現に東京の日本料理店でそういったスタイルをとっているお店は殆どないと思いますし、フレンチ、イタリアン、中華と、他ジャンルのレストランでも、水知らずの他人の食べるスピードに合わせて食べなければならないレストランってなかなかありませんよね?
そして、私のブログをお読みいただいている方は既にご存知のこととは思いますが、一般の方より食べる量は遥かに多いと自負している私でも、全てを美味しく食べ終えることができない恐ろしいボリューム
そもそも、日本は「食べきれないほどの食事で客人をもてなすのが礼儀」という、お隣の大陸とは違うのですから、「残されても結構ですので。。。」という言葉は、端から客人が食べられないと分かりきっている量でも、見栄えや豪華さを演出するために提供されていのではないかと思ってしまいますそう考えると、料理は食材から調理・調味、盛り付け、器に至るまで、間違いなく今の日本を代表する日本料理の最高峰であり、1人¥28,000のお任せコース(サ・税別)も全く高いとは感じさせないほど完璧に完成されつくしたお皿たちではありましたが、どうも素直に「日本で最も素晴らしいお店」とまでは言い切れない私がいます
正直、こちらのお店の本当の良さを分かるにはまだ私が若すぎるのかもしれませんし、もしかしたら私には一生分からないかもしれません
しかしながら、感性が磨かれる石原氏の料理をもっといただいてみたいと思う私がいるのは確かですし、こちらが自分に合うのか合わないのかを見極めるためにも、今年もう一度お伺いしてみたいと思っています
未在
住 所:京都市東山区八坂鳥居前東入ル円山町620-1
電 話:075-551-3310
営業時間:17:30~22:00
定 休 日:水曜日
H P:http://mizai.jp/
備 考:18時一斉スタート、現金不可