【精神的ダメージがやってくる!・・・⑭】
Z社の池田さんには月イチで会う。
A社、B社、C社とはいつも会っているので気心知れるが、
Z社の池田さんは一味違う感覚の間柄であった。
とにかくデータが好きで、仕事に関係しないデータも提供すると喜ぶ。
しかし最近は香取が提供するデータにミスがあり、
ささいなミス、例えば赤ワインの数量と白ワインの数量を入れ違えていた、という程度の
ものだったが、池田は気になるみたいで、そこらへんも香取は機嫌を損ねられないように
うまく立ち回る必要があったのだ。
例の件以来、偏頭痛は治らないし、視点が合わなくなったりと
体に変調をきたしながらも、一生懸命データを収集して、
池田に気にいってもらえれば嬉しい限りの、仕事とはまた別のデータを提供しながら
ミスを修正した仕事のデータも持って久々のZ社に来たので、
また高津の時とは違った緊張感で赴くことになった。
「お久しぶりですね、香取さん。」
少し神経質そうな独特の表情で香取に声をかける池田。
「あ、これはどうもお久しぶりです、池田さん。先日はデータにミスがございまして、
誠に申し訳ございませんでした。」
「いや、いいんですよ、香取さんには色々と直接仕事に関係のないデータも私の為に
頂いていますので、感謝しています。特に最近は色々とお忙しかったようで、データの精査に時間をかける余裕もなかなか無かったんじゃないかと思いますよ。」
ん?何?え、お見通しですって感じ、これ?
香取は、「誰がどういうつもりで高津との件を池田に話したのか?」が非常に気になった。
「え、あの・・・、どの者が申しておりましたでしょうか・・・?その、4日前の・・・。」
「ん?ミスしたデータを作ってたのが4日前だったんですか?」
「あ、いえ、違うんです、ま、あの、はい4日前からちょっと・・・。」
(あれ?なんだ別に聞いちゃいないのか。そうだよな、なんでZ社にB社の話をするんだよな。
その必要が全然ねーよな)
「うん、まあ、別にデータのミスはいいんだけど、それよりも、あるデータからもっと興味深いことが
分かったんだけど・・・。」
「?」
「香取さん、最近のあなたに関してなんだけどね・・・」
(つづく・文中は全て仮名です)