(標題) 寒梅  新島襄作

 

(起句)庭上の 一寒梅

(承句)笑って風雪を 侵して開く

(転句)争わず 又 つとめず

(結句)おのずから百花の さきがけを占む

 

令和5年を迎えました。ここ数年は新型コロナに翻弄されて生活環境が一変しましたが、今年こそいろんな面で良い方向に向かうように願いたいものです。この漢詩は五言絶句ですから、承句と結句に「灰」の韻目の中から「開」と「魁」の韻字を押韻に用いています。さらに、五言絶句と同様に起句にも「梅」で押韻していますが本来は不要のものです。

 

意味は、「庭先の一本の梅が厳しい風雪に耐えて、まるで微笑むかのように花を咲かせている。いちばん咲きを競うでもなく、また特別に努力したこともない。ただ、自然体に任せて自ずと先駆けとなったのである。(人の生き方もこのように謙虚でありたいものだ)」