漢詩を簡単に作りたいが
そんな方法はあるのでしょうか
漢詩を簡単に作る方法はあるのかと問われれば、「ある」と答えることができます。
まず、最も基本的に事柄は決められた規則が守られているのかという点が注目されます。
例えば、スポーツでもルール無視は許されませんね。100m競争でスタートラインが曖昧であったり、フライングがあってもかまわないとか、子供と大人や男女が混合して走っても良いとかすれば支離滅裂になりますよね。
また、俳句や短歌の文字数など自由にしてよろしいとなれば、きれいな句はできないように、やはりその道その道で決められた約束事があるのです。
したがって、その約束事を的確に把握できるかどうかが、結局のところ簡単に作れるかどうかにつながっていくと思われます。
そのことを漢詩に当てはめ七言絶句を例に考えると、まず漢字の文字は七文字四行として、計二十八文字で詩を構成するのです。
次に一行目、二行目、四行目の末尾の漢字は押韻することが大事なのです。
押韻とは、響きが同じ韻目というグループに分類された中から文字を選ばなくてはならないという決まりがあるのです。
その原則を外すとこれは漢詩とは認められないといわれるのです。最も重要な項目でしょう。
押韻は韻を踏むと呼ばれることもあり、漢詩の最重要の約束事なのです。
韻とは音の響きのことで言葉の後の母音をいい、日本語では「あいうえお」がこれにあたります。
例を示しますと、「さくら」という言葉では、「さ」の音を延していくと母音は「あ」になり、「く」の母音は「う」で、「ら」の母音は「あ」ですね。
このように同じ母音が決まった末尾にくると、詩を朗読したときに美しく響くことになりますね。
芭蕉の作に「荒海や 佐渡によこたふ 天(あま)の河(かは)」という有名な俳句がありますね。
この五・七・五の末尾の母音をみると、「あ・う・あ」となり、「あ」の母音が同じ事から朗読したときに美しく聞こえるのですね。
いくつかの決まり事を守っていくと、漢詩が簡単に作ることにつながっていくのです。