昨日の浮世絵展で観た鮮やかな日本の色が強烈に心に残り、家に戻って久しぶりに納戸にしまい込んであった屏風絵を出して来ました。
春夏版と秋冬版の花車が対になっている、所謂六曲一双屏風です。
狭い我が家には飾る場所もなくていつもしまいっ放しですが、要らない物を隣の部屋に移動させ、秋冬版一隻だけ思い切って居間の隅に鎮座させました。
やはり小さな部屋にはちょっとスケールオーバーの感じがしますが、金地に一杯の花の屏風絵は、空間をパアッと華やかに明るくし、気持ちまで晴れ晴れとさせてくれるようです。
この屏風、昔知り合いの方から頂いたものです。
鎌倉の旧家の生まれの方で、蔵の中にお宝を沢山お持ちであることは知ってはいましたが、ある日「あなたに差し上げたいものがあるから見に来て!」と言われてお宅に伺うと、この屏風が置いてあったのです。
その方の所蔵品には、正倉院にあっても不思議ではないような時代の螺鈿の経机や厨子など国宝級と思えるものまであって、その日一日蔵のなかの宝物をたっぷりと拝見させて頂き目の保養をしたのでした。
お年を召して、蔵のなかを整理したいのだと仰っていましたが、江戸末期の町絵師が描いた一双の屏風などは、その方にとっては所蔵品のなかでは気軽に手放せる一品だったのかもしれません。
そうはいっても買ったらとても高価なものでしょうに‥。
もう今から30年以上も前のこと、「まだ若いあなたにどうしてポンとくださったのかしら?」と訝しげな実家の母でしたが、こればかりは古いものが好きな人にしか理解出来ない世界です。
この屏風絵、初めて目にした時は色や表現が露骨過ぎる印象がありましたが、今見るとそんな感じも薄れ「ウン、なかなか派手さがいいね」と家族で話して鑑賞しています。
