一学期の終業式は時間短縮され、午後からPTAの臨時集会が開かれることになりました。
ー昨晩、この学校の生徒に関する事件が起こりました。今はまだ詳しいことを調べている途中ですが、みんなは何も心配することはありません。
直君の事件に関して、校長先生はみんなにこう説明しただけでした。でもほとんどの生徒が事件のことを知っていました。教室ではみんなそれぞれ、直君のことをおくそくを交えながら話していたし、もっと詳しいことを知りたい様子でした。大変なことがおこっているのにどこかウキウキしている、そんなおかしな空気が流れていました。終業式終了後みんなほぼ強制的に学校からおいだされましたが、私だけ、残るように、と言われました。直君の家に訪れていたのだから仕方がないことだと思います。
秀弥君は「お守り」を渡してくれました。しばらくするとウェルテルが入ってきました。
ーミズホは心配することはない、ありのままを答えればいい。ウェルテルは力強くそういいました。私はまっすぐウェルテルの目を見つめ返しました。
ー先生一つきいてもいいですか?でも、その前にこれを腕にはめてください。いえ、最近流行ってるおまじないみたいなものです。
私に差し出した「お守り」を、ウェルテルがしっかり腕に巻いたのを確認し、たずねました。
ー先生が毎週家庭訪問をしていたのは、直君のことを思ってですか?それとも、先生の自己満足のためですか?
ー何、馬鹿なことを言ってるんだ。ミズホ、毎週一緒に来ていたお前なら、わかるだろ?僕は直樹のことを思って、毎週家庭訪問をしていました。
ピピピピピ・・・・・・・。苦笑したくなるようなマヌケな音でした。ウェルテルは、光る文字盤を眺めながら言いました。
ーなんだこれは。?
ー気にしないでください。・・・・・・最後の審判が終了した合図です。