チキ風呂 -11ページ目

チキ風呂

チキ風呂

川沿いに古い家の一室、渡辺君の「研究室」を訪れるのは2度目だ。今回は母さんが焼いてくれたクッキーを持ってきた。最新型の大画面テレビには、夜の街をさまよう、ゾンビたちが、うじゃうじゃと映っている。

渡辺君はアダルトビデオのモザイクを取り除くのには興味があっても、内容にはあまり興味がないらしい。僕もいちど見せてもらったけどいやらしいのを想像していたら金髪美女たちが裸で乱闘し始め、その乱闘振りがえぐすぎて引いてしまった。

それで、普通のビデオを見ることになり、駅前のレンタルショップで外国物のアクションホラー映画を借りてきたのだ。僕の家では、銃を乱射するような映画を見るのは母さんに禁止されている。こんなにおもしろいなんて。かっこいい女主人公がゾンビの軍団に向かって、機関銃をこれでもかというほどぶっぱなしている。なんだかすごく気持ちよさそうだ。

「いいよな、僕もやってみたいよ」

思わず、つぶやいてしまった。きこえちゃったかな、と渡辺君を見ると目があった。

「じゃあ誰かこらしめてやりたいやついない?」

渡辺君がいった。

「こらしめる?」

そう訊ねたけど、渡辺君は「終わってからね」と言って画面に目をもどした。映画主人公だったら、ってことかな?僕も画面に目を戻す。ゾンビは何度も立ち上がる。これが現実なら悪夢だ。ゾンビ退治は結局パートゥ2に続くらしい・・・・・・・・・