今年もあと十日余りとなり、除夜の鐘に備えて寺の境内にある梵鐘堂の突き棒のロープを点検した。十数年前に鐘を突いている途中にロープが切れて大変な目にあったからだ。年々体力的にしんどくなってきたが、こればかりは息子にまだ全部を任せるわけにはいかない。

都会の寺では、鐘の音が近所迷惑という理由で除夜の鐘を止めたという寺もあるようだ。その点、私の寺は田舎なので全く周りを気にすることはない。昔は除夜の鐘を突いていると子供連れの方が十数人お参りを兼ねて来られていたものであるが、最近は少子化で誰も来られず寂しいものである。

昔は除夜の鐘を就寝しながら聞き入っていたものであるが、生活スタイルが変化した今では除夜の鐘に耳を澄ませて聞き入ることもなくなったようだ。煩悩を除去する意味で梵鐘を百八回突くのであるが、今ではそうした風情はなく、鐘の音も明らかに昔と違う響きに聞こえているのだろう。

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