『父よ、生きよ!⑨』 | きりんはツノの先端に毛が生えているのがオスですよ

セカンドオピニオンを受ける前に先生からはとにかく早く移植をしたいと聞いていました。
血液内の悪い細胞が強くなりつつあるので、抑えられている早いうちに移植をすることが得策だと考えていると。

そういったこともあり、セカンドオピニオンから数日後にはドナー検診を受けました。
検査結果が出て問題がないとわかると、とんとん拍子に採取日までの予定がたてられたのです。

2クール目の抗がん剤治療も父は大きな副作用はなく終わりに近づいていたころ、さすがの長い入院期間でストレスがたまっていたのか愚痴をこぼすことが増えてきました。
それまでも、食事についての愚痴はありましたが、この頃には看護師さんや先生に対してもあたるようになってきていたのです。

先生は父の性格などに合わせて、本来伝えなくても良いような細かいスケジュールも事前に伝えてくれたり、どうしたらストレスなく治療にのぞめるかなどかなり気を配ってくれていましたが、それでもやはり長い入院生活は苦痛だったようです。


状態は安定していたものの、免疫力や体力も落ちていて悪い細胞はより強くなってきていたので、9月の一時帰宅は難しいと考えられていましたが、先生はストレスをためたままにしておくのは逆効果と判断して、なんとか一時帰宅ができるように調整してくださったのです。
父も輸血や点滴が増えても我慢し、美味しくないと嫌がっていた食事も体力を保つためになんとか工夫しながら食べて、楽しみにしていた一時帰宅にこぎつけることができました。