
ユアン・マクレガー
エヴァ・グリーン主演
「パーフェクト・センス」
世界に蔓延した
感染症
哀しみの後に
臭覚が失われ
恐怖の後に
味覚が失われ
怒りの後に
聴覚が失われ
愛に満たされた後
視覚が失われる
奇病
ラブストーリーでもある
不思議な作品
人生にしがみつき
生きることを
貪りつくそうとする
貪欲なる人類の
わたくしも
そのひとりだが
もちろん着々と
生命の終焉に向かって
旅をしているのも事実
この映画のように
怒涛の悲しみや
絶望的な恐怖心
残酷なまでの怒りの
洗礼を経て
いただいたもの
何かをひとつずつ
天に返しながら
果たして
「愛」にたどりつけるのか
その美しさに
憧れはするものの
おそらく
そのときを迎える
その寸前まで
覚悟も決意も翻し
命に固執する
自分であると思います
五感を
記憶を
突然に
あるいはじりじりと
失ってゆく旅
今も
頭を離れないのは
医原病であるスモン病で
視力を失った
評論家・志鳥栄八郎氏の
「音楽 春夏秋冬」の
この一文
ぼくはね
今ひとかけらずつ
消えてゆこうと
してるんですよ
交通事故による
外因性の精神病で
理性を保ちながらも
瓦解していった
ラヴェルの言葉