大麻を所持していた息子は、営利目的で捜査が始まっていました。

所持していた量が多かったのです。

通常、個人で使用する量がどれくらいなのかもわかりません。

「エイリ」という言葉ですら、私は何を意味するのかもわかりませんでした。

 

初めは3月末に帰ってこれるだろうという話が4月中旬に延び、そして更に延び。

弁護士をどうするのかもわからないまま、すぐに国選弁護士がつきましたが、なかなかコミュニケーションが図りにくい方で、そちらにも私は正直言って気が滅入っていました。

電話がかかると、「今そのことがどう問題なの?」というような内容。私への誹謗中傷も多い。そして、大事な進捗状況が全くわからない。

そんな日々でした。

 

本来なら、弁護士を通じて私の所に情報が入るはずなのですが、私は担当の刑事に話を聞くようにしました。

そして私の心は限界が来ていました。ある日突然、電話が怖くなったのです。

私は日頃から常にマナーモードなんです。

なので、着信も何かの通知も震えるだけのスマートフォン。ですが、その通知音ですら怖くなりました。

威圧的な弁護士からの電話、何が言いたいのかわからないメッセージの羅列。

 

怖くなったのはスマートフォンだけではありません。

ふとリビングに下りて、テレビがついたいた時に国会中継が映っていました。普段なら聞き流しますが、テレビの音声に身体が震え、とてつもない恐怖心が湧きました。居ても立ってもいられず、私はまた部屋に戻りました。

女性議員のあの威圧的な物の言い方が、女性弁護士をイメージさせたんです。そしてニュースの女性のコメンテーターすら怖くなりました。

 

ネット社会ですから、検索するとなんでも出てきます。

「電話恐怖症」

その症状全てに当てはまりました。

 

「この携帯の電源さえ切れたら・・・。」そう思いましたが、現状そんなことは出来ません。

どんな相手だろうと、弁護士からの連絡を拒否は出来ないからです。

弁護士を変えようとも思いました。こんな事に自分自身がなる前に。ですが、その時は「なんだかんだ言っても、もう何日か経ったしね。一日一日出てこれる日は近づいてるしね。」そんな風に息子と面会するたびに話をしていました。

私選弁護士も視野には入れていましたが、「俺が悪いから、そんなお金使わんでいい。」そう息子が言っていました。

ですが、弁護士の存在自体に違和感しかなかった私は、県の弁護士会にも電話し予約して相談しました。

 

「国選弁護士はサイコロを振るようなもんなんです。」

 

弁護士がそう言うんですよ。

「何それ・・・。」そんな感覚でした。

国選弁護士から国選弁護士に変更はかなりハードルが高いと言われましたが、そんなことは調べていたので分かっていました。

私は今までの時間を考慮し私選に変えた時に「弁護士同士の間で、今回の件に関してある程度の申し送りや引き継ぎはあるのか。」それを聞きました。

答えは、「全く無い」でした。

 

また1からになるのかと思うと、この時点では息子の逮捕からひと月にはなっていましたので、泣き寝入りという表現が正しいのかわかりませんが、そんな状態でした。

 

そして先日、個人使用目的で通ったとメッセージが弁護士からきました。

弁護士も「一安心しました。」と。

そして翌日、個人使用目的で所持していたといいう内容で起訴とのことでした。

 

既にこちらは、保釈金も弁護士の口座に入金しておりました。

書類の準備も今回は触れませんが、揃えて提出していましたが、その数日まで「この日と言っていたが、諦めてほしい。」とそういう旨のことを言われていましたので、

 

「明日、ダメ元でも、保釈請求していただけませんか?

 勾留期間が〇〇日だと、ゆうに延長の10日間が過ぎます。

 逃げも隠れもさせません。

 お願い致します。」(原文そのまま)

 

大事なお願いだと分かっていましたが、声を聞くのも嫌でした。なのでメッセージを送りました。

すると、驚くような返信が。

 

「?勿論保釈請求は当然しますよ」(原文そのまま)

と。文章の最初に『?』です。バカにするのも大概にしろと思いまいした。だけどこれももうすぐ終わるとそう信じていました。

 

「してみないことには結果は分かりませんので」(原文そのまま)

 

そんな事いちいち言われなくても承知しています。だけど、明日には終わると期待していました。

 

そして翌日の朝、起訴されると連絡がありました。

不思議なものです。息子は逮捕されるほどの事をしているんです。やっと起訴されたことに安堵しました。

私は、犯罪者の親にあたるわけですが、息子を許せるはずもなく、許す気もなく、ですが見捨てないことは心に誓っていました。

 

何時に保釈になるかわからないままでしたが、その日を諦めて欲しいと言われていたので、いつも通りに面会予約入れていたんです。

そして面会を済ませ、刑事に何時になるか聞きました。

一旦帰ってもらって大丈夫な時間になるでしょうとのこと。帰路についていました。

 

弁護士から1本の電話がありました。

 

「営利で起訴されました。今日の保釈はありません。」

 

電話の向こうで悔しがられていました。ですが、その瞬間、私の感情は無くなったようになりました。

ただ、「事故しないように帰らなきゃ。」それだけが頭に浮かびました。

 

その日はどう過ごしたのでしょうか。無事、事故せずに運転出来たことは確かです。

もう、何と闘っているのか・・・私の感情の持って行きようもなく、心が崩れ落ちた瞬間でした。