ムハンマドについては…
前回のブログで少しだけ触れました。
そう! 水上のモスクでの出来事
波の音を聴きながら…
2階の女性専用の「祈りの部屋」で座っていると…
とても穏やかなエネルギーとともに、透明に近いサクラ色のふんわりとした手が私の胸に入ってきたような感じがした。
心地良くとても優しい気持ちになっていると
突然、男性のような声が聞こえてきた…
「女性は美しくなるために、嫉妬や競争心で綺麗になろうとしたり、異性の気を引くために、誘惑するための美しさになろうとしている…。」
一緒、ハッとなり、目を開けて辺りを見渡すと、さっきまで、私の斜め後ろでススリ泣いていた、真っ赤になった瞳が印象的だった女性は静かに姿を消していた。
私は再度目を閉じ、先程の声に耳を傾けていると…
「ほんとうの美しさとは… なんだと思うかい?」
それはね…" 神に捧げるための美しさ " …」
神に捧げる美しさ…
海の上というシチュエーションということもあって、なんだかこの、「神に捧げる美しさ」というのが、すんなりとほんのりと入って来た。
宗教的な「神」とは違う、純粋で清い存在に対する敬うような美しさ…というか…なんだろ、言葉ではいい表せないほどの心からの頷きを感じた。
そう言えば、中東に来てから、息を呑むような顔立ちをした女性を何人も見てきた。リヤドでも、女性たちはブルカという伝統的な黒いヴェールで顔を覆って、両目しか見えなくてもを色気を感じる。殆どの女性が、ハイブランドのバックを肩から斜めがけにしてるのだが、それが更にセレブ感を出して色気を増していた。
ほんとうに羨むような美しさだった。
でも、「神に捧げる美しさ」ですか?
っと、問われると、それは違う…単なる個人的なイメージだけれど…
自分を振り返っても、40代過ぎて、女性性を高めようと…がんばって綺麗になろうとしたけれど…
その頃の自分を神に捧げられるだろうか…
異性を意識してなかったとは言えない。
逆に20代の時の方が、男性から好まれないようなスポーティな服を着ていた。面倒なことを避けるために、ジャージ上下を着ていたような気がする。
女性性を高めるためってなんだろ?
なんだか自分が恥ずかしくなった。
神に捧げる美しさ…
身が引き締まるような感覚だった。
そして、その感覚を残したまま「祈りの部屋」を後にした。
真っ黒な海に反射して映し出された、彩色の夜景の輝きを見ながら、1階に降りていくと、ちょうど「男性専用の祈りの部屋」から出てきた息子を見つけた。
一緒に歩いていると、彼は唐突に、私に対してこんな質問してきたのだ。
「お母さんって、嫉妬されたことある?」