ティピーの中で目覚めた後
私は何をどうしたらよいのか分からなかった。
誘っておきながら何の説明もなく
チーシーキもチーシーキなら
私も私なので
何も質問しなかった。
とりあえず、昨日のお昼から何も食べてなかったので、辺りを探索してみた。
チーシーキのグループ、1 NATION EARTH は他のグループから離れており、湖に橋をへだてた快適な場所にあった。
何の情報もない私はかなりカルチャーショックを受けた
なぜなら…
多くの人が裸どうぜんの格好、いや、素っ裸は当たり前で歩いていたからだ。
なんと
Yogaも裸でしており、最初は興味本位でチラ見をしたりしたが、途中から嫌気がさしてきた。
チーシーキの1 NATION EARTHの地域は素っ裸禁止令が出ていたので、とてものどかだったが、橋を1歩でも越えれば、そこは裸族の楽園だった
間違えて迷い込んできた凸凹丸見えの裸族から道を聞かれては、普通に振る舞う演技に磨きがかかっていく自分であった。
コスチュームを纏っている人たちは、まるでディズニーランドのようで、そういう気分でジョイントしていれば、きっと一緒に盛り上がれたかも知れないけど、異常なほどの砂ぼこりが舞い上がる中、そんな気にもなれなかった。
まるで、インドの有名な祭典、クンブメーラのようだった。
出店がズラーっと並んでおり、昨夜、凍えそうだったので、フェィクの毛皮や赤いインディアン風のドレスを購入してみた。
相変わらず、チーシーキから何のアナウンスもなく、遠隔セッションの意図だけは伝えており、お互いに意識は繋げているようだった。
そのうち、私たちの地域にはボランティアの食堂があることが判明したり、毎晩、火を焚いてはフアィヤー セレモニーをしていることが分かった
どうして 私はここに来たのだろう…
神聖なものとはかけ離れているかのように、ドラッグでおかしな行動をする人を見かけてはそう思っていた。
焚き火に飛び込む人達もいて、火傷を負った彼らを抑え込み警備員を2時間も待ったと、チーシーキは語っていた。
私は完全に目がイッた人に追いかけられそうにもなった。
何度ともなく、ティピーに逃げ込み、そこで瞑想や遠隔セッションをしては、そのまま眠り込んでいた。
以前、メキシコで行われたネィティブ アメリカンたちのシークレット セレモニーでも、スェッド ロッジ以外はほとんと寝ていた経験があった。
ある日、テントが飛ばされるほど、ものすごい竜巻が起きたので、私を心配したチーシーキが
「Chika 大丈夫かぁーーーっ」
っと、駆けつけて来てくれたことがあった。
私は、大きな岩の上で竜巻などお構いなしに大の字になってグーグー寝ていたので、その姿にチーシーキは驚き、その時の物語は、今でも二人の伝説になっている。 笑
あーっ 今回は7万人のヒッピーの中で、私は何を感じて何を祈ればいいのだろう…
チーシーキの娘から誘われて、サウナとシャワーの施設に行くことにした。
サウナルームの扉を開けてビックリ、男女全員が素っ裸で股を広げている人もいた。
私とチーシーキの娘はビキニを着ていたけれど、水着を着ている人なんて、ほぼいなかった。
サウナルームの温度はあまり高くならず、それに加えて人の出入りが多かったので、ドアを開けたらすぐに締めないとブーイングで
「早く、早く閉めて!」
っと煽る声に、何も分からない新人さんは戸惑う人ばかりだった。
ある女性が突然、
「カウントしたらいいんじゃない」
っと提案してきた…
5・4・3・2…
っと、30人以上の人達がドンドン参加して、カウントをはじめると
サウナルームは爆笑になり
5・4・3 っと3秒以内でドアを閉めた人には、拍手喝采で
「グレート」「ワンダフルーー」
っと笑いながら褒めたたえた。
サウナルームはまるでライブハウスのように、一気にポジティブなエネルギーへと変化した。
こんな時のカルチャーショックはありがたくハッピーな気分にしてくれる。
そんなあんなこんなことをしていると…
ついに 20日の夜がやって来た
寝だめをしていた私は、すこぶる元気で、夜通しライブを観たり、ネィティブ アメリカンの人達とセレモニーを楽しんだのであった。
そう言えば…不思議なことがあった。
あるステージから、とても陽気なメロディーと声が聞こえてきたので吸い込まれるかのように近寄ると、彼らは、私が訪れたこともある、以前はインド、今はパキスタン領土になっているパンジャブからやって来たと語っていた。
パンジャブと言えば、ヨギ・バジャンの故郷だ!
「あ〜〜〜あっあ、やんなちゃうな…」
っと…歌っていた、牧伸二のような笑顔で語るように歌う姿に見入っていた。
しばらくステージから近い場所で座って聞いていると、ふと、律儀にも脱いでしまったお気に入りのビーサンのことが頭によぎり気になって取りに行くと…1足しかない
どこを探してもない
くまなく探したけれど…見当たらない
あんなホコリだらけのビーサン、誰が持っていったんだ!しかも1足だけ
私が探し回っている間に、ステージも終わり、ドンドン人はいなくなり、私は片方のビーサンを持ったまま探し続けていた。
中には一緒に探してくれる人もいたけれど、小さな会場なので、すぐに探せる場所はなくなり…
「きっと誰かがイタズラしたに違いないわよ」
っと、言われて去っていった。
普通の道路や砂浜なら何も動じなく裸足で帰るのだが、かなりの荒地である。
完全に足は切れまくるだろう…
しかもカリブ海でこうにした、なかなか見つけられない履き心地バツグンのビーサン
まだ、旅はこれからだというのに…
ついに、私と会場のスタッフ1人だけになった…
彼の吐いているブーツを横目で羨ましそうに見ながら
「ビーサンが片方なくなったの。見なかったよね?」
っと、聞いてみたけれど、首を横にフルだけだった…
仕方ない、ビーサンを片方だけ履いて、ズルズルと安全道を歩きはじめた…
サボテンのような植物や木くずや石だらけで、もう
ここからは無理だ…
っと思った瞬間
なんと❗️
目の前にシューズを発見した…
キョロキョロしたけど辺りには誰もおらず、人が休むような場所でもなく、置いているような感じではなかった。
ドラッグでおかしくなった人たちが素っ裸で走っているような会場なので、きっと、わけがわからなくなった人が脱ぎ捨てて行ったのだろう…
どうしよう…
しばらく迷ったけれど、足が血だらけになってチーシーキのもとに戻ったら、また一つ伝説を作ることになる。
足を入れてみると、少し大きいけど、ピッタリなサイズ
まるで荒野のシンデレラになったように走り、ネィティブ インディアンたちの元へと帰った。
息を切らせながら、まるで何もなかったような顔をして、ファィアー セレモニーに参加した。
ここでも カルチャーショックはあり、日本だとなかなか前へ出ようとする人がいなかったりするのだが、焚き火を目の前にして、多くの人が自分の人生や気持ちをシェアしたり、歌を披露していた。
中には、とうに成人している男性が、首からぶら下げている紫色の身長20cmぐらいの猿のぬいぐるみを撫でながら、
「彼はいつも自分を見守ってくれており、僕たちはいつも光りを放っちながら共有しているんです。」
っと、シリアスな顔をして語り…
それを見守る人たちも真剣な顔で頷いていた。
1人 1人の発言が、またもや
「絶対に笑ってはいけないシリーズ」
のようになっており…
どうしたもんかと、焚き火を作っているチーシーキが手で口を隠しながら、ダウタウンの浜ちゃんのように笑っている姿を…私はしっかり見つけてしまった
不謹慎な私たちである…
後で
「さっき、笑ってたでしょ…」
っと、チーシーキに言ってみると、
「だって、Chika 聞いたか!マジで語っていたんだよ!しかもショートパンツをはいていたし…」
吸って、止めて、吐いてー 感じて…っと、彼は皆んなを誘導しようとしていたので、きっとヨガの先生に違いないと、2人で語り合い、
彼が誘導しているのにも関わらず、いきなりプロ級のギターと歌を披露して、一気に場のエネルギーを高めて、その歌で号泣する人は出てくるわーで、
「あれはなかったよな〜、いきなりアイツの顔が真っ青になっちゃったからな〜〜」
っと、さらに私たちは同じ視点で見てたことに微笑んだ。
さあーーっ
いよいよ 皆既日食の日の太陽が昇りはじめたぞーーーーっ
全員が祈りはじめた
それと同時にたくさんの気球が空へ舞い上がり…
特別なことが起こる…
そんな気持ちか私の中で沸き起こっていった。