オフィスで尋ねてみると、日本からの旅人は、すでにアシュラムに到着しており、チェックインを済ませているとのこと、オフィスから教えられた部屋番号に行ってみるもの部屋を間違えてしまい、更に子どもとじゃれ合ったりしてたら(笑)…
結局、友達と合流して、アルナーチャラの山に登ることになったのは、午後4時前…
すでにアルナーチャラ、恒例の満月の日の瞑想ウォーキングが始まっており、たくさんの方が車やバイクに交じりながら歩いていました。
もともと、山の麓近くのブッシュの中を歩くセレモニーだったのですが、犯罪が多いために立ち入り禁止になり、空気の悪い道路を歩くようになったそうです。
「もう、こんな時間だね…とにかく登ろう!」っと言いながら、
私はビーサンから山を登りやすいサンダルに変えようとアシュラム入り口あたりに向かいました。
すると、目の前に私をジーっと見ているインド人の若い男性がいるので、私はニコッと微笑んでみたのです。なんだかとても彼のことが気になり何度も振り返ってみるとその度に目が合ってしまい、彼が私のところに走りよってきたのでした。
「今から山に登るの?」っと澄んだ目で私に尋ねてきたので…
何で知ってるんだろう…っと、心の中で思っていると、
「ほら、見てご覧!すごい綺麗だから!」
その男性が、屋根の上で羽を広げている孔雀を指差し、その孔雀が良く見える場所に私を案内してくれました。
私は写真を撮りながら、彼に尋ねてみたのです。
「山をガイドしてくれる?」
「もちろん!いいとも!」
しかし、一緒に登る2名に相談してみると、「いらないんじゃないですか…」っという返答。
確かにそう!
だって800mの小さな山だし、昨年登ったばかりだから道も知っているし、何もお金を払ってまで頼む事はない…
でも「彼に頼んだ方が良い!」という強い直感が働き、私は咄嗟に彼に向かって「お願いします!」っと頼んでいたのです。
しかし、そうは言ったものの…歩いて行きながら少しの不安が沸き上がってきました。
初対面の人だし、ここインドでは貧富の差が激しく、とても笑顔で良い人そうに見えても、平気で観光客を騙したり酷いことをする人が後を絶たない国…
「大丈夫、大丈夫、すべてパーフェクト」っと言いながら、気持ちを晴れやかにするように努めてみました。
途中、アシュラムで働いている人や観光客と仲良く会話している彼を見て、ホーッと胸を撫で下ろし、さらに歩いて行くと、かつて満月の日に歩いていた、現在は通行禁止になっている道が見え、
「
この道は現在、通行禁止だけど、仲の良い友達なら案内できるんだよ。」ガイドの
彼がそう言うので、
「じゃあ、今日、私たち歩ける?」っと聞いてみると、二つ返事でオッケー! やった~!
そして、さらに歩き続けるとマハラシが瞑想していたと言われている洞窟を過ぎ、小高い石山をが見えてきました。
ガイドの男性は地元の人なので、聖なるアルナーチャラを裸足で登っていました。私も歩きやすいと思ったサンダルが、バリでのバイク事故で作った擦り傷に擦れて、痛みを感じ始めていたので、やはり昨年と同様、途中から裸足になることにしました。
すると彼が、「バイクで転んだ傷は大丈夫なの?」っと尋ねてきたのです。
え~~っ な・な・なんで知ってるんだろ?
「どうして知ってるの?」 っと驚きながら私が彼に聞いてみると、
「だって、昨日、話したじゃない。脚に大きなバンドエイドをたくさん張っているから、どうしたの?って聞いたじゃない」っと、白い歯を見せて不思議そうに笑っているのです。
あ~~~っ そういえば、誰かと、バイク事故の話しをした記憶がある! 彼だったんだ! だから私のこと見てたんだ!
「そして、君は、明日アルナーチャラの山に登るんだって 言ってたよね!」
そうか~~ だから、さっき、私に声をかけてきたんだ
だから、彼を前にも見たような感じがしたんだ!
もう、私は本当に記憶が消滅しやすくなってきている! きゃいん~~!
そんな天然ボケの私を彼は「ジャッキー・チェン・シスター」と呼んだ!
「
さすが、ジャッキー・チェン・シスターの飛びは最高だね!」っと、
ぴょんぴょん石の上を跳ねながら登る私を横目で見ながら笑った!
せっかく、バリ島で和製マリリンモンローっと言われ、かなり調子に乗ってセクシーな気分になっていたのに、インドではジャッキー・チェン・シスター…もう、どうでも呼んでくれ~~ぃ!
どんどん歩いて行くと足の裏が細かい石で痛くなってきており…バイク事故の傷の痛みを感じないためには靴下を履いてサンダルを履くしかない…
私が靴下を履いていると彼がこう言ったのです。
「バイク事故での足の怪我を治すにはサンダルを履いても裸足じゃないとダメだよ…山からのパワーがもらえないから!」
え~~!そんなものなのか~~!じゃあっと、単純な私は素足にサンダルを履いて歩いた…笑
「アールナチャ~~ラ アールナチャ~~ラ・オーム・アルナーチャレーシュヴァラーヤ・ナマハ」
っと何度も唱える彼の横で私も真似して唱えて登ってみました。
意味はアルナーチャレーシュヴァラ神に帰依いたします
とのこと、これを唱える事は一説によると、バリ島で何度も聞いた、オーム・ナマー・シヴァーヤを1000万回唱える力があるらしい
とにかく、ずーっと唱えながら登ることに…
まったく、マントラに興味がなかった私ですが、なんだか、とても気持ち良くなってきた感じがして、なぜか唱えずにはいらえなかったのです。
頂上まで3分の1まで登ったところで、ガイドの彼がこう言いました。
「今日は満月だから、プランを変更して、頂上でプジャをやりながら一夜を明かさないか?」
プジャとは祈りの儀式、供養のことである。彼の提案に賛成した私たちに、彼は紙にペンで供養したい先祖や家族の名前を書いてと言いました。
そして、山ですれ違った20歳のガイドの友人に、町中で食べ物を買って、自分の従弟にプジャの儀式をすることを伝え、一緒に登ってくるようにと言っていました。
私は、頂上でスーパームーンが見られることになっことに心から喜びました
しかも観光客は私たち3人だけだという状態
さらに、ジャッキー・チェン・シスターは飛んだ!飛んだ
もう幸せこの上なかった~!ぴょんぴょん〜
ガイドの彼は
「君たちは本当にラッキーだ! ここには満月の儀式をするサドゥしかいなからね」
っと、私たちに告げながら、途中で見えてきた満月を指さしたのです。
アルナチャラの山頂を見上げてみると、空が真っ赤に染まっており、輝く炎のような満月が私たちを迎えてくれました。
「この山はシバ神の火の山だと言われているんだ…なんて素晴しい日なんだろう」っとガイドが感動して、そう私たちに伝えてきたのです。
私は写真を撮ろうとしたが、もう少し足場が良い所で…っと思っていると、その火に燃えているアルナーチャラを取り損ねてしまった…う~~~ん残念!