退院をする父を迎えに行った

それだけなのに、会うたびに

「あれをなにしてくれてありがとうさん」と言ってくれる



知人は保育器の中で戦っている600gの娘に

「とうちゃんがんばるよ」

と語りかけるために毎日会社帰りに病院へ行く



若い夫婦が

産まれて15分の命をたくましく全うした我が子との時間を

宝物のように心に抱きしめている



娘がバレンタインに好きな男の子にチョコを渡し

相手の色よい返事にテンションが上がっているのをみて

私がつくったチョコなのにね、と目を細める



息子が描く絵を毎度毎度わくわくしながら

専門知識で読み解く彼女が発した

こどもっていいよ、という言葉




親という存在は

親という存在は

親という存在は




ああ、悔しいけれど、

どんな言葉を紡いでも越えられない存在だなと

だから、ありのままで向き合おうと

まだ手探りだけれど

そう思う。