建築界のノーベル賞といわれるプリツカー賞を妹島和世さんが受賞した。


この方の建築は

「構造」という物理的数学的な
融通の利かない(とおもわれる)理論値に
巧みに美を取り込む解釈を求め、
構造体を作り上げる挑戦の美学がある。

そして、
建築は空気のような佇まいでありながら
よりどころとなる存在であるべき、という
隠れた理念をもっている、と私は捉えている。


独立してまだ間もない頃、
茨城県古河市の古河市総合公園レストハウスのカフェテラスの仕事をしたときに
妹島和世さんの作品と絡むことになった。


$空間の神は『エロス』に宿る

$空間の神は『エロス』に宿る

$空間の神は『エロス』に宿る



当時、カフェを営業的に成り立たせることが大命題だった私にとって
あのミニマルな建築は商業との相性がどうしても合わない、と感じて
建築に対する否定しか浮かばなかったけれど
10年以上経って、仕事感覚もだんだんと大人になってくると
もっと緩やかに融合させる方法があったのかもしれないな、と思う。


あれからいくつかの妹島建築に触れる機会があったけれど


      やはり美しいものは美しい理由がある。


そして、建築という「ハコ」を人々に作用する「場」とするには


     「創り手=建築家」「送り手=計画者」「使い手=利用者」の
      それぞれが他者に対する余地を持ち合わせ
      その余地を活かし合う気持ちが大切なのだな、


と、改めて妹島建築を意識したときに感じることが出来る。



      妹島和世さん、プリツカー賞受賞、おめでとうございます。


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※写真はこちらのブログからお借りしました。