好みのコーヒーのテイストを識っているって大人っぽい気がする。



ベトナムのコーヒーショップチェーンを日本に持ってくる仕事をしたときに
コーヒー豆のことを少し勉強したけれど、
ワインと同じように無間地獄を感じたので
ちょっと尻込みしてお仕事以上の知識は持てなかった。

でも、コーヒーは飲み物としてとても好き。

朝は濃いコーヒーをミルクたっぷりでいただく。
お酒を飲んで帰ってきた夜も軽めのコーヒーを飲んだ方がゆっくり眠れる。
(カフェインをもってしても私の睡魔には勝てないらしい)


でも、自分好みのコーヒーは「これ」というものはよく分からなかった。


そして2年前に得た幸せ、それは、


     自分好みのコーヒーを識っていてくれる人がいる


という他力本願な幸せ。


2年前にとあるコーヒーショップのオープニングに携わったときに
その幸せに出会った。

そのお店に行けば必ず私の気分とか状態とかに合わせて


    「今日はこの味ですね」


と美味しいコーヒーを入れてくれる。
自家焙煎のオリジナルの味わいは常に10種類以上はあっただろうか。


でも、残念なことにそのお店が閉じてしまい、
再びコーヒージプシーになってしまった。


風の噂でそのバリスタさんは故郷の兵庫で喫茶店を開いたと聞いた。


嬉しくてお便りを出したら、
お返事替わりに珈琲豆が届いた。




$空間の神は『エロス』に宿る



何よりも嬉しかったのは、


   「万夏さんのお好みです」


と書き添えられていたこと。


ゴリゴリと豆を挽いて、
彼がかつて教えてくれていたように
コーヒーメーカーでの美味しい淹れ方をなぞり、
そのコーヒーを口にすると


     やっぱり好きだなー・・・


というあのアロマに出会えた。


飄々とカウンター越しに語りかけてくれる言葉に受け答えしながら
彼が淹れてくれるコーヒーをまた飲みたいと心から思ったのでした。



     讃喫茶室  @兵庫県宝塚市


(ご興味があればメッセージ下さい。詳しい住所お知らせします)