先週いつもの定宿レストランに行った。
前は徒歩100歩くらいで家に帰れたら良く仕事帰りに寄ったけど
今はタクシーで1000円ちょっとかかるからちょっと頻度が落ちたかも。
でも、やっぱりこの時期は足繁く行かないと
出会えるべきものに出会えない。
冬になると楽しみなのがこれ↓

鹿さん。
店主のお父さん(またぎ)が日光の山奥でしとめた上物。
地味豊かで、赤身にうまみが込められている。
自然の中で、野生のアンテナが選りすぐって食したものが
血となり肉となり、
縁あって、私の前にやって来た。
いつもここでこれを前にすると
美味しいものを口にする罪深さ と、
その幸せを享受する贅沢さ に、
少しだけ祈りの気持ちを持ってみたりする。
神様はなんで食欲だけでなく、美味欲を人間に与えてしまったんでしょう。
とはいうものの、躊躇無くオーダーする。
程なく絶妙な火加減と塩加減と味加減で
お皿に載って私の前に。
ストレス無く一発でしとめられたそのお肉は
呑み込むのが惜しいくらいなめらかな口当たり。
噛む毎にうまみとは次元の違う「肉」の香ばしい芳香感がお口の中にいっぱい。
レバーなんてさくっとした噛み心地と
豊かな土の薫りを伴った血の薫りをバルサミコがまとめあげて
甘ささえ感じる。
あー、なんという幸福感。
なんという欲深さ。
贅沢の記憶をしばしとどめていたいので
今日からは野菜のお命でしばらく生きていきます。
