気がつけば夏。
夏になると私が思い出すのは蓼科。
そして蓼科に住みついている私のママンが8月だけケーキ工房を開く。
私がまだ小さい頃に家事の合間にケーキづくりの勉強を始めた彼女は
私がまだ学生だったある時
「フランスに行ってケーキ修行をしてくる」
と、朝のラジオフランス語講座で身につけた片言のフランス語だけをひっさげて
パリに飛んでいってしまった。
3ヶ月経ってディプロマを取得して帰ってきた彼女は
その後ケーキ教室を始めた。
そして、夫が引退して蓼科に住みつくことを決めたとき
山の家の一角に長年の夢であったケーキ工房を開くことにしたのだった。
夏だけ。
たぶん、こののんきさがいいのだと思う。
それを始めてから早10年あまり。
70代半ばを過ぎてもその創作意欲は未だ豊かなまま。
身内を褒めるのもなんだけれど、
彼女の作るスウィーツは本当に美味しい。
「どうしたらこれを食べた人が幸せになってくれるかしら」
そんな気持ちだけで作られた甘い作品達。
それを楽しみにやってくる夏の蓼科の住人達。
その輪にちょっと加わるのが私の夏の風物詩。
今年はお盆当たりに行こうかしら。。。

