それを考えるとたまらなくキュンとしてしまうカタチがある。

わたしのそれは「工具」。

ねじを締める、切断する、力を加える、
その目的のためにそぎ落とされた機能とその姿は
人の手に収まってなおさら美しい。

筆記用具もそうかも知れない。

空間の神は『エロス』に宿る


時計もそのカテゴリー。

空間の神は『エロス』に宿る


その機能のために必要最小限に削り取られたフォルムは
必然的に美しいラインを自ら見つけ出している。



私がそんなカタチが好きだと自覚したのは19年前。
当時付き合っていたボーイフレンドの弟さんがサックス奏者で
その彼がサックスのメンテナンスをしていたときに
「金属の曲線って美しいなー」とぼんやり見ていたら、
彼がぺろっとマウスピース部分からこんなモノを取り出した↓

空間の神は『エロス』に宿る

・・・・・美しい。。。

リードと呼ばれるこれは葦で作られたものなのだけれど
これがないとあの美しい金属の楽器からあの音が出ない。

途端に私の中でぐるぐると好きなモノ検索が始まり、
その初期段階のサマリーとして

「道具として研ぎ澄まされたカタチは美しい」

という結果が導き出された。

そしてたまらず、彼にとくとくとなぜ美しいのかを
語り始めたのだった。





後日、彼は兄であるわたしのボーイフレンドに

「彼女、工具とか好きらしいで」

と伝えてくれたおかげで、
その年のクリスマスプレゼントは






ソケットレンチ一式
空間の神は『エロス』に宿る

だったわけで・・・。

ま、実際好きですけど、この質実剛健さは。





ちなみに、
装飾のためにカタチを追求した「貴金属」も好きです、念のため。