あまり好きなヒトもいないと思いますが、ナニシロ嫌いです。
ある夏の日の深夜…。
今の在所でなくて、実家に居た頃です。
仰向けに寝転がり、大好きなSF小説に没頭しておりました。
頭の中で宇宙船が飛び交い、怪光線がほとばしり、エーテルが沸き立ち…。
???
左足、スネの辺りを髪の毛でくすぐられるような感覚が…。
少し動いて気にもせず、しばらくそのまま。
また同じ感じ。
そのまま起き上がり、足を確認します。
アイツが…触覚で…私のフクラハギを撫でている…。
!!!!!
普段では考えられない程の素早さで両足が飛び上がり、Vの字の形から右に回転。
2メーター程離れて、相手を確認します。
まだそこにいます。30cm程度移動して様子を伺っているようです。
私の方は、アドレナリン全開。心臓の鼓動は信じられない程早くなり
手には汗がにじみ、呼吸は浅く早く…。
十数秒。睨み合いです。
深夜です。ここまでお互い声を発していません。
どうすればいいか…。
自分の部屋です。
ヤツ用のモノはもちろん、ヤツに対応出来そうなモノも見当たりません。
おっ、虫よけスプレーがありました!
掴みますが、考え直して捨てます。
眼を離さないようにしながらなので、
なかなかいいものを見付けることができません。
ナニシロ、その他モロモロのヤツらとは訳が違います。
アイツなのです。
気持ち、分かってもらえるでしょうか…。
緊張の中、とりあえず以下のモノが手元にある事がわかりました。
コンビニで貰える袋入り割箸
ティッシュペーパー
いわゆるコロコロ(粘着シートのロールでカーペット等の掃除をする、あれです。)
よし! コロコロでくっ付けてしまえ!
震える手でコロコロを取り上げ、ケースを外しました。
すると! ヤツは私の発したなにかを察知したかのように走り出しました!
! 脇にたたまれた別の敷き布団のすき間に潜り込みます!
あんな所に潜られては、どうする事も出来ません…。唖然としながらもしばし黙考。
意を決し…布団に近付き…一段目をめくります。
いない…。
二段目。
ここにもいない…。
数歩下がり、視野を広げてみます。
いた!
最初にいたあたりに戻ってる!
顔が冷たくなっているのを感じます。緊張。
コロコロの柄を握った左手の関節が白くなっています。
無言の気合いとともにコロコロ一閃!!
おしゃっ! 命中!
コロコロの下、布団と粘着シートとの間にヤツがいます。
長い息を吐き、そのまま数秒…。
これからどうするか…。腰が引けています。
コロコロを少し動かし、様子を見てみました。
!!着かない!!! ヤツは脂ギッているっっ!!
ただコロコロで上から押さえ付けているだけだ!!
このままでは一生このままだ!
不合理な、混乱した思考を繰り返していても仕方がない。落ち着いて考えます。
さっき見付けた、割り箸…。
これで逃がさずにキャッチして安全に処理出来る所まで運べば……。
やってみることにしました。
包装された割り箸を、片手でゆっくり取り出し、そのまま割ります。
箸をかまえてさらにゆっくりコロコロを移動。ヤツの体が半分程現れます。
………。割り箸でも触れない……。耐えられない……。
計画は頓挫しました…。
さらに数十秒。
ティッシュペーパー…。
少し離れた所にあるティッシュペーパーを、割り箸で引き出します。
「考えろ…」
深夜。午前3時過ぎ。 ひらめきました。
ヤツの体は粘着しない。しかし、ティッシュペーパーなら確実にくっつく…。
コロコロとティッシュペーパーの間にあいつを閉じ込められるのでは…!?
興奮に箸を持つ手が震えます。
どのようにすれば、巧くいくだろう…。
1枚をヤツのそばに敷きました。
箸で少しずつヤツの下に入るようにずらしていきます。
急にヤツが激しく動き、私は反射的に箸を引いてしまいます。またやり直しです。
今までのどんな失敗よりも自分に腹が立ちます。自分を罵るつぶやき。
やっと、ヤツの半分程の位置まで挿入出来ました。コロコロをゆっくり反対方向へ。
反対側から再度同じ作業を行います。
大袈裟かも知れませんが、左利きがこの時程有利に思えた事はありません。その時はそう思いました。
やった!
重なった2枚のティッシュペーパーではり付けにされたアイツ…。
しかし、その重なりはほんの少しだけです。
私はヤツが脱出する前に、ロールからシートを3回転分程はぎ取り、折り畳みました…。
この期に及んで、中のアイツに間接的に触れないように、慎重に。
勝った…。
もう何年も経った今でも、虫よけスプレーを見るとアイツを思い出す事があります。
もう来ないでね。たのむからね。
よし! コロコロでくっ付けてしまえ!
震える手でコロコロを取り上げ、ケースを外しました。
すると! ヤツは私の発したなにかを察知したかのように走り出しました!
! 脇にたたまれた別の敷き布団のすき間に潜り込みます!
あんな所に潜られては、どうする事も出来ません…。唖然としながらもしばし黙考。
意を決し…布団に近付き…一段目をめくります。
いない…。
二段目。
ここにもいない…。
数歩下がり、視野を広げてみます。
いた!
最初にいたあたりに戻ってる!
顔が冷たくなっているのを感じます。緊張。
コロコロの柄を握った左手の関節が白くなっています。
無言の気合いとともにコロコロ一閃!!
おしゃっ! 命中!
コロコロの下、布団と粘着シートとの間にヤツがいます。
長い息を吐き、そのまま数秒…。
これからどうするか…。腰が引けています。
コロコロを少し動かし、様子を見てみました。
!!着かない!!! ヤツは脂ギッているっっ!!
ただコロコロで上から押さえ付けているだけだ!!
このままでは一生このままだ!
不合理な、混乱した思考を繰り返していても仕方がない。落ち着いて考えます。
さっき見付けた、割り箸…。
これで逃がさずにキャッチして安全に処理出来る所まで運べば……。
やってみることにしました。
包装された割り箸を、片手でゆっくり取り出し、そのまま割ります。
箸をかまえてさらにゆっくりコロコロを移動。ヤツの体が半分程現れます。
………。割り箸でも触れない……。耐えられない……。
計画は頓挫しました…。
さらに数十秒。
ティッシュペーパー…。
少し離れた所にあるティッシュペーパーを、割り箸で引き出します。
「考えろ…」
深夜。午前3時過ぎ。 ひらめきました。
ヤツの体は粘着しない。しかし、ティッシュペーパーなら確実にくっつく…。
コロコロとティッシュペーパーの間にあいつを閉じ込められるのでは…!?
興奮に箸を持つ手が震えます。
どのようにすれば、巧くいくだろう…。
1枚をヤツのそばに敷きました。
箸で少しずつヤツの下に入るようにずらしていきます。
急にヤツが激しく動き、私は反射的に箸を引いてしまいます。またやり直しです。
今までのどんな失敗よりも自分に腹が立ちます。自分を罵るつぶやき。
やっと、ヤツの半分程の位置まで挿入出来ました。コロコロをゆっくり反対方向へ。
反対側から再度同じ作業を行います。
大袈裟かも知れませんが、左利きがこの時程有利に思えた事はありません。その時はそう思いました。
やった!
重なった2枚のティッシュペーパーではり付けにされたアイツ…。
しかし、その重なりはほんの少しだけです。
私はヤツが脱出する前に、ロールからシートを3回転分程はぎ取り、折り畳みました…。
この期に及んで、中のアイツに間接的に触れないように、慎重に。
勝った…。
もう何年も経った今でも、虫よけスプレーを見るとアイツを思い出す事があります。
もう来ないでね。たのむからね。