月に一度は訪れたくなる町、鎌倉。美味しいレストランに美味しいケーキやチョコレート、きらめく海、街を取り囲む山々、お寺、古い洋館、季節を彩る花々、そしてさまざまな場面で人の温かさに出会えることが魅力です。旅人にとっては、全部持っている町の印象です。

 

 

人の温かさに出会えるようなお店をあえて選んで伺っているからかもしれませんが、鎌倉のお店やレストランで、仕方なくアルバイトしているような若者にめったにお目にかかりません。そもそも店主の手でもてなそうとしているこじんまりした店が多いからかもしれません。心地よく、そこで過ごす時間は緩やかに流れるような気がします。効率的、儲け第一という印象を露骨に表していません。ファーストフードやファミリーレストランができる以前の、レストランが集まっているような気さえします。

 

先日、都内の人気店で友人たちとランチをした際、未だ全員が食べ終えていない状況にもかかわらず、空いたお皿を、まだワインが残っているグラスを下げようと店員が手を伸ばしました。「まだ済んでいません」と声をかけて逃れましたが、お店を出るまで居心地悪く二度と伺いたくないと思いました。ランチタイムにお客を2回転、3回転させようという店側の意向なのかもしれません。笑顔もなく余計なことを言わないのはスマート、クールという流行のスタイルなのかもしれずここは目をつぶりますが、黙ってお皿やグラスを下げてはいけません。

 

しかしながら、鎌倉にも効率的だと感じるお店やお寺はあり、鎌倉在住の知人と鎌倉らしくないお店とお寺を上げ合ってみたところ見事に一致したので大笑いしました。

 

路地もいい。垣根越しに民家の庭をちらっと見ることしか出来ないけれど、そこには機能としての家=ハウスではなく家庭=ホーム(恐らくは温かい家族)があるような気がします。各々外側からは見えない悲しみや葛藤を抱えているのでしょうがここは別世界のような・・・。海や整えられたお寺の庭、暖かいお店の延長に各々の家があるような錯覚に陥ります。

 

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来月もまた訪れようと思います。来月はあじさいを捜して歩きます。