こんにちは。

 

生物の項目でミカエリス・メンテン式というものが出てきます。

一方、薬物動態または薬剤にラングミュア式というものが出てきます。

 

この2式、数学的に似通っていて、ミカエリス・メンテン式だけしっかり理解していれば、ラングミュアの式に関する設問は場合によって数学的に考えるだけで解けますよというお話です。

 

まずはミカエリス・メンテン式の数学的な考え方から。

 

式に使用される記号は、どの書籍においても同じ記号、意味で使われていますので、ここでは記号の説明は省略します。

 

ミカエリス・メンテン式とグラフ

 

 

 

 

と、このような説明がどの教科書にもあると思います。

そもそもこういう式が分かりにくいのは、文字がたくさんあることではないかと思います。

 

グラフを考えるときは、縦軸(y)は何か、横軸(x)は何かを常に考える癖をつけましょう。

場合によっては、x、yで書き換えてもよいです。

 

グラフは縦軸がv、横軸が[S]のなので、数学的にはv0→y、[S]→xとし、そしてその他は全て定数a,b,c・・・です。

 

一応書き換えてみると、

 

 

です。ね?割と見やすいでしょ。

 

微分積分をやっていた方なら後は微分積分の知識でこのようなグラフになることはわかると思います。

 

微分積分の知識が無い方でも、極限(これも微分積分の領域ではありますが)を考えることでグラフのおおよその形は推測できます。

 

 

 

 

限りなくxが0に近づいたときを考えましょう。

 

この時、分母x+bは限りなくbに近づきます。するとその時、式は

 

y=(a/b)・x

 

となります。

 

*ここで、xが0に近づいたなら (a/b)・xのxも0になるじゃないかと考える方もいるかもしれません。確かにそうです。

 

しかし、それはyの値のことを言っているのであって(yの値も確かに0に近づきます。)、ここで考えたいのは0近傍の時の関係式です。

 

ここが特に微分積分をやっていない方にとっては感覚的に理解しづらいところかもしれません。

 

でもこのような考え方は、実際の微分積分を行わずに式を理解する簡単な方法でもあります。他の場面でもよく出てきますので、理解しておきましょう。

 

 

 

 

では次にxが限りなく大きくなっていった時の形です。

同じように考えます。

 

この時、分母x+bはbが無視できるほど大きくなります。

すると、a/(x+b)の値は限りなく0に近づくことになります。

 

 

この式において、a/(x+b)は y=□x の一次式の傾き(□)に相当します。

傾きが0になるということは、線が横に寝るということですね。

 

なので最終的にはグラフは横に走ったようなものになります。

 

但し、あくまでも0に近づくだけです。

なので、実際にはどこまで行っても少し傾いていて、ずっと増えていることになります。

 

また0から限りなく大きくなるまでの途中はというと、

(a/b)の傾きが徐々に0に近づくことになりますので、グラフは徐々に曲線を描き、最後に横に寝ることになります。

 

ここまでがグラフの概形のお話。

 

 

 

 

 

そのあとKmの変化によってどうなるとかがありますが、それは専門書を見てください。

 

まずはここが基本となりますので、しっかり押さえておきましょう。

 

その上で、次はラングミュアに行きます。

 

因みに以下に出版している書籍にも載せていますが、一応ここでもミカエリスメンテン式の覚え方を載せておきます。

参考に。

 

ミカエリスメンテン式

ブイブイマックスCして子供増えてもまだCするAミカちゃん

 

V ②Vmax ③C ④Km ⑤ ⑥C A:ミカエリスメンテン式 

① = ②③/(④⑤⑥)

 

 

 

 

 

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