出産前に知っておいてほしいこと 【産後うつと離婚】 | チイク - 知育協会 公式ブログ

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出典:平成24年(2012)人口動態統計の年間推計‐厚生労働省


このグラフなんのグラフかわかりますか?
2分37秒毎にこの数が増えているのです。
なんと、日本における離婚件数です。

離婚の約40%は同居から5年以内に起きています。

しかも、半数以上の離婚は母子世帯になった時の末子の年が5歳までの間に起きています。(57.4%)
末子とは、家族において一番幼い子供をさします。
さらに、この半数以上が子供が2歳までに別れているのです。(32.5%/57.4%)
とても衝撃的ですよね!

2歳のこどもはやっとお話が上手になってきた頃で、かわいい盛りです。
会話も楽しくなりますし、活動範囲がぐんと広がり、お外に散歩やボールなげをしたり、おうちで一緒にゼリーや白玉団子も作れたりするようになる時です。
この、手はかかるものも、可愛くなる時期に、パパもママもケンカしてる場合ではありません!

でも、私も、思い当たる節がないわけではありません。
15年前、当時の私は大学病院の周産期センターで働いており、毎日妊婦さんの診療や手術をして忙しく働いていました。仕事で赤ちゃんに接することはあっても、育児は初めてなので、どうしたらよいかちんぷんかんぷんでした。
主人は大学病院の小児科医で、学生さんや若手の医師の指導的立場にありながら、朝早くから夜遅くまで病気の赤ちゃんと一緒にいますが、四六時中赤ちゃんと一緒に過ごすのは初めてでした。
ちんぷんかんぷんの私は、赤ちゃんのプロがいるのだからという甘えがありましたが、とにかく育児が大変で大変で、イライラして、主人とぶつかってばかりでした。

長女は夜泣きがひどく、1時間も続けて眠ることができなかったばかりか、オッパイもミルクも大嫌いで極度のミルク嫌いでした。
どうして小児科医のくせに赤ちゃんを寝かせられないの?赤ちゃんがミルク嫌いってどういうこと?などなど、主人に辛く当たっていたと思います。
一時的に冷たいミルクを飲むようになり、コールドミルクがおっぱいのかわりだったこともあります。しかし、結局3日程しか持たず、イオン飲料なら飲むということを発見してから、わが子は朝、昼、晩、寝る前、イオン飲料で命をつないだのです。
小児科医の子供がミルクを飲まずにポカリスェット??

毎晩のように1~2時間ドライブしてやっと寝かせても、ベッドにおいた瞬間パチッと目をあける娘を羨んだこともあります。移動すると起きちゃうため、バギーのまま一緒に玄関で寝た事もあります。
実家の母が「枕向きが悪いのよ!」とクルッと180度変えたある日、朝まで一回も起きずに眠ってくれました。主人も私も母が神にみえましたが、方角が悪くて寝なかった訳がなく、翌日からも夜の散歩と毎晩のドライブの日々が続いたのは言うまでもありません。

世間からみたら赤ちゃんに接する機会が多い私達でも、言葉につくせないほど日々大変な苦労しました。

今思うとマタニティーブルーどころか、産後うつという状態だったのだと思います。

私の所属していた医局ではその当時結婚している女医さんは私だけでした。それから10年経ち、たくさんの女医さんが結婚しました。でも、半分の方は結婚して1年で離婚されています。しかも、まだ1歳にならない乳飲み子を抱えてです。まるで厚生省のデータに合わせたかのように。

出産後、お母さんは身体の状態が戻る前から赤ちゃんのお世話が始まります。
赤ちゃんだって、いきなりこの世界に生まれてきて戸惑うことも多いでしょう。
新米ママに新米地球人、いきなり上手くいけるわけがありませんが、上手くやれないと誰だって凹みます。

だから、パパさんには
「ママが頑張っていることをちゃんとわかってるよ!」
「いつも、大変なのにありがとう!」
と毎日言葉をかけてあげて欲しいのです。

そしてママさんにも覚えていてほしいことがあります。
パパさんはどんなパパさんだって、いつも赤ちゃんと一緒にいるあなたほど上手にオムツをかえたり、ミルクを飲ませたりすることができないでしょうが。
上手くないけど「まぁいいわ!」とパパがやろうとしている気持ちを大切にして、大きな心で許してあげましょう。

この当たり前のことが1番難しくなる時期を、二人の協力で乗り越えて欲しいと思います。

パパとママの関係がもしもギクシャクしだしたら・・・
それは、産後うつからきている可能性があります。

だから、赤ちゃんが生まれる前の幸せな時期にこそ、
もしも赤ちゃんがうまれてケンカが絶えなくなったり、かみあわなくなったりとしても、
許し合おうと約束をしておくといいですね。
産後2年程度は大きな決断をせず、様子を見るのも大切なことですよ。





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知育協会理事
渡邉 由紀子


産婦人科専門医として母親に対する情報配信を担当
二児の母。大学病院のMFICU(母体胎児総合周産期センター)で多忙な診療に携わりながら子育て、お受験を経験。女医として、子供を生む準備段階の母親の気持ちだけではなく 、出産のアフターケアにも定評がある。 杏林大学病院産婦人科、東京歯科大市川総合病院産婦人科、厚生会 榊原病院、 医療法人財団 順和会 山王病院、渋谷コアクリニック等に勤務。 優育会 渡辺こどもクリニック 理事。



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