名ドラマのロケ地「国道駅」は、横浜のふしぎ空間。 | 映像のチカラで日本を元気に!ロケたび日記 by ロケ地ラボ 

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今回は、都会にある不思議な鉄道「JR鶴見線」をご紹介。
鶴見線は、JR京浜東北線「鶴見駅」から「扇町駅」を結ぶ、工業地帯を走る7キロの路線で、工場にお仕事で行かれる方以外にはほとんど乗る機会のないであろう、特殊な路線です。
 

こんな感じで海のそばを走り、工業地帯の間の運河を渡る、のんびりした路線。電車は短い2両~3両編成で往復しています。

 

そんな鶴見線には、ロケ地としても有名な「国道駅」という、さらに特徴的な駅があるということで、今回近くに来たので訪問してみました。


東京から川崎、そして横浜に抜ける「国道15号線」は、お正月の箱根駅伝のコースとして有名です。その駅伝の「鶴見中継所」から横浜方面に行くと、国道に面したところにあるのが、その名も「国道駅」です。


実は、京浜急行「花月総持寺」駅からも歩いてすぐのところにあります。


 
国道に面しているから国道駅。なんと潔い駅名でしょう。
そして、国道をJR鶴見線が高架でまたぎ、その高架下に国道駅の入り口があります。
左の暗い空間が、何と駅の入り口!
 
 
入口からおそるおそる入ると、アーチ状の柱と柱の間に、無人の改札口があります。
以前、東京の上野公園の地下にあった「博物館動物園駅(京成電鉄・2004年廃止)」を彷彿させる雰囲気です。
 
ホームに向かう階段。
 
改札口を正面から。
目の前にはきっぷの自動販売機がありますが、右の貼り紙によると、今年(2022年)2月できっぷの発売は終了となり、
今後はSuicaの入場のみになるようです。(Suicaを持っていない方は、右のマシーンから出てくる「乗車駅証明書」を持って下車駅で精算)
という訳で、記念にきっぷを買ってみました。

そして、改札口の先。ますます暗くなるので、ちょっと不安になりますが、、、でも大丈夫です。
この先は、鶴見川の鉄橋の下に出ます。
 
この国道駅、とにかく特徴的な見た目から、様々な映画やドラマのロケ地として使われました。
 
あの名作TBSドラマ『男女7人夏物語』シリーズの『男女7人秋物語(1987年)』で有名になり、
以降、木村拓哉さん主演の『華麗なる一族』、オダギリジョーさん主演の『時効警察』、
山田孝之さん主演の『白夜行』など、それぞれ印象的なシーンで登場しています。
 
さて、そんな摩訶不思議な空間の「国道駅」のあるJR鶴見線は、他にもオススメの場所があります。

まずは、国道駅の3つ先の駅、「浅野駅」。
 
「浅野セメント」の創業者として有名な浅野総一郎氏から取った駅名なのですが、鶴見から来た電車はここで扇町行きと海芝浦行きに分かれます。
写真の向こう側から来た電車は、写真右側の線路とこちら側に分かれ、そのため、この駅は三角形(扇形?)のホームを持っています。
こんなハッキリした三角形の構造を持っている駅は、全国でもたぶんここだけ。なかなか面白い駅です。
 
そして、終点の「扇町駅」。周辺は、三井埠頭の工場の敷地内で、工場専用の駅、といった感じ。工場街を歩いていると、ちょっとした小屋のようで見逃してしまいそう。
 
 
とにかくそのローカルな雰囲気がすごい。ホームは1面だけで、ローカル線の終点の侘しさが、独特な雰囲気を醸し出しています。これが、川崎市の工業地帯でなければ、まさに「秘境駅」ですね。

鶴見線の各駅については、別ブログでも詳しく書いてみましたので、よろしければご覧ください。


都会にありながら、「秘境駅」の非日常を楽しめる路線・鶴見線。
「国道駅」のロケ地めぐりのついでに、是非お楽しみください!
 
(訪問日:2022年1月)