雲南米線のガイドライン | 東京狂人日記

雲南米線のガイドライン

中国・雲南省は米どころで、場所によっては三期作も可能である。雲南人は獲れたお米を普通に食べるだけではなく、麺にして食べる。これが雲南米線である。日本人観光客の中には「全く腰がない」と言って米線を嫌う人もいるが、狂人は雲南の米線が好きである。

そういうわけで本稿では雲南米線について語ろうと思う。


その前に中国雲南省がどこにあるか図で示す。雲南省は中国西南部の省で、ラオス・ミャンマー・ベトナムに接している。まあ一般的に「辺境」である。都会出身の中国人に「雲南に行った」とか言うと「フッ、何でそんな田舎に?」と笑われることすらある。

東京狂人日記-yunnan

まあそれはともかく、雲南米線の解説に移る。


<麺>

米線は、米で作った麺である。(麺が麦の「餌絲」もあるが、少数派)。

生めんは白くてプリプリしているが、ラーメンやうどんと違って、麺にコシはない。

通常は麺+汁+具で構成されている。

雲南省内での値段は2009年春現在3-8元(約40-100円:ゴージャス系除く)。


<具>

薬味(ネギand/orニラ、香菜etc)、肉(肉orひき肉味噌etc)、古漬が基本。後述するようにトマトとか魚の薄切りとか豆のつるとかキノコなどが入っているものもある。


<汁>

内陸部なのでダシは鶏ガラ系が主流で、白と赤の2種類が主流である。また、後述のようにさまざまなバリエーションが存在する。


白:鶏系の塩味  

 主な生息地域 雲南省全般(西北部除く)

 おおむね旨い

これが米線の基本形と言える。日本でいえばかけうどんみたいなものか。アクセントとして赤い具(辛子肉味噌など)が乗っていることが多い。

 東京狂人日記-けっこう大盛り  元陽県の村で

 東京狂人日記-米線  大理古城で


赤:辛子醤油味または辛子味噌味 

主な生息地域 雲南省西北部(四川に近い方)
うまいとは限らない
雲南省は北部で四川省と接している。従って北へ行くほど食べ物が辛くなる。「赤」もたぶん鶏系のダシだと思うが、辛くてイマイチわからない。
観光地だと「辛いの大丈夫?」みたいなことを聞かれることも多いが、辛子味噌味の場合には辛さのみを減らすことができない場合がある。
 
 東京狂人日記-赤い
↑麗江で。四川料理の影響を受けて赤い



派生系(白、赤をベースに手を加えたもの)

イスラム味:

主な生息地域 雲南省全域のイスラム料理店

結構いける
省内に点在するイスラム教徒の料理店で食べられる。 中東みたいに頭巾やスカーフをかぶったをかぶったオバチャンが作ってたりする。
基本辛子醤油なのだが、とにかく羊テイスト。トッピングも羊肉。ミントなど香辛料で臭いを中和すると味わい深い。

 東京狂人日記-赤い米線

  ↑建水で。羊の油って結構強烈。(牛とかヤクもw)


貴州牛肉味:

主な生息地域 「貴州牛肉米線」のチェーン店

クセがあるが結構おいしい

油っぽい牛味醤油スープでトッピングも牛。酢、にんにく、山椒、ミント、香菜などをセルフで入れてから食べる。なお、貴州省は雲南省の北東にある省である。

 東京狂人日記-牛肉味
 ←昆明駅近くのチェーン店で。牛と言っても水牛かも!?

砂鍋:

主な生息地域 雲南省全域

まずくはないがそんなに旨くもない。

砂鍋とは土鍋のようなものである。強火で調理し、鍋のまま供する。味は赤系が多い。ただ、米線はステーキや焼鳥と違いって火加減で味が変わる素材ではないと思うのだ。

東京狂人日記-「三鮮」が何なのかは不明  

 ↑砂鍋の「三鮮米線」。三鮮というからには3種類の具があるはずだが、トマト、スパム以外の何が「三番目」なのかはいまだに謎。


この他、トッピングをした「○○米線」というものが存在する。これは日本の「チャーシューメン」とか「モヤシラーメン」と概ね同様の物である。



ゴージャス系


過橋米線:
主な生息地域 雲南省全域

普通の米線より高級で、概ね旨い

まず米線と具が供され、その後空の丼と高温のスープが運ばれて来る。店員が丼に食材を入れ、その上から高温スープ(白)をかけて具を調理する。本格的な店だと、熱した油を上からジュワッとかけるパフォーマンスをしてくれる(スープが冷めにくくなる)。
価格は10元くらいからで、50元とかそれ以上のもある。値段が高くなると小鉢とかおかずがいろいろついて来てよりゴージャスなセットメニューになるが、写真でしか見たことはない。

 東京狂人日記-過橋米線  
 ↑これは安い方(麗江)。具は鶏肉、豚肉、川魚、豆の茎、ウズラの生卵、古漬etc


東京狂人日記-熱いスープが入って出来上がり

見た目は微妙だが、旨い。丼が大きくて汁が飲み切れない。     

最後に

卒業旅行 」では雲南米線を1日1-2食食べながら徘徊した。無駄に時間を浪費した旅行だったが、20年間の会社生活に区切りをつけるという意味では申し分ない旅だった。
最近は秋葉原あたりでも本格的な雲南米線が食べられるようになった。味の方はまさに本場の味で申し分ないのだが、何かが足りない。

あーまた雲南行きたいアル。


合掌

東京狂人日記-湖のほとりにある廟だった



2009年7月3日掲載 2010年12月8日加筆