何かと史上初というキーワードが多い2020年の中央競馬。無観客競馬に始まり、牡馬牝馬の同時三冠制覇やGⅠ9勝、先週は白毛馬によるGⅠ勝利が達成された。
今週行われる朝日杯フューチュリティステークスは何と言っても武豊騎手による勝利ではないだろうか。数多くのGⅠを勝った彼でさえ、まだ勝てていないのがこのレースである。昨年を含め、計5度の2着と惜しい競馬が続くが、最大のチャンスは2015年のエアスピネルに騎乗時。
完全に抜け出たところをリオンディーズの剛脚に屈し、「空気の読めないイタリア人」という一言は記憶に新しい。両馬の母シーザリオとエアメサイアは奇しくも2005年クラシック世代。ワンツーとなったオークスを息子たちがそのまま再現しているかのような、そんなレースだった。
今回彼が騎乗するのはドゥラモンド。ドゥラメンテの初年度産駒としてデビュー2連勝中である。現状2歳牡馬路線は突出した馬がいない印象で、どの馬にもチャンスがあると言えそう。
ドゥラモンドは父ドゥラメンテ〜父母アドマイヤグルーヴ〜父母母エアグルーヴ〜父母母母ダイナカールと日本の競馬を紡いできた血統で、武豊自身もアドマイヤグルーヴ〜エアグルーヴの主戦だっただけにこの馬で一発をねらいたいところ。
一番人気が予想されるのはレッドベルオーブ。
デイリー杯2歳ステークスを解消したディープインパクト産駒だが、一歳上のレッドベルジュールも同じ成績を辿りながら本番では惨敗だったのが気がかりである。前走は小頭数だっただけに紛れる展開になった時にどうか。
モントライゼ、ステラヴェローチェも前哨戦を快勝したものの、前者は小倉2歳ステークスではメイケイエールに負け、後者は下したインフィナイトが本番では惨敗と単純な力関係に疑問が残る。
混戦の時に強みとなるのが前に行ける脚だが、ホウオウアマゾンが面白い。人気もやや落ち、前走は最後までレッドベルオーブに食い下がった。阪神1600コースを3度経験していることも大きく、脚質・コース適正・レース経験ともに他馬を一歩リードしている印象である。
最後にゴドルフィンの刺客ショックアクション。父グレンイーグルスは欧州で活躍したガリレオ直仔の名マイラーである。日本ではまだ目立った産駒がいないが、フラーズダルムを物差しとするとホウオウアマゾンにも引けを取らないだけに人気以上に面白い存在である。
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