特定秘密保護法や集団的自衛権行使と安保法制が立憲民主主義を破壊する強行採決で次々と可決扱いされて以来、これでもかこれでもかという政府与党の暴挙が続いていますが、情報量が多すぎるため、ブログ更新ができず、専らツイッターやFacebookで情報共有・発信をしています。そんな中、久々に、これは自分のブログに残しておきたいと思う情報に遭遇しました。
4月20日に安倍昭恵総理夫人と、選挙運動に同行した夫人付き公務員らを国家公務員法違反等で東京地検に告発した三井環さんにまつわる話です。
このブログ記事で取り上げたい三井環事件とは直接関係ないのですが、三井さんのことを知ったきっかけでもある告発状の最初の2ページを貼っておきます。
この告発状のPDFファイルは市民連帯の会ホームページの「新着情報」の124番めにリンクを張ってあります。
告発状では社民党の福島みずほ議員や共産党の宮本岳志議員らの国会での政府追求質疑、日刊ゲンダイの取材記事なども引用し、安倍政権の背任行為についても言及しています。これは別途たっぷり取り上げたい内容です。これまでの経緯を一緒に見てきた人たちには、ごく当然のこと、誰もが賛同するようなことが書かれています。
で、三井環事件関連の動画を貼る前に、私自身の備忘録を兼ねて、ちょっとSNSで情報共有されている最近の国会をめぐる状況を綴っておきます。(引っ張ってすまんw)
森友疑獄や加計学園疑獄など所謂アッキード事件もマスゴミが幕引きを試み静かになっていく中で、共謀罪がとうとう審議入りし、相変わらずの滅茶苦茶な政府答弁が続いています。一方で、連日テレビ画面では政府追求スピンを兼ねて軍事利権御用達の北朝鮮ミサイルで脅し、ますますナチスの手口の猿真似も本格化してきました。(そしてこれを書いている4月24日にはに平壌から最短距離にある玄海原発の再稼働まで推進。安倍政権になってから4例目の原発再稼働容認です。普通のミサイルでも核爆発できますよと歓迎でもしたいんでしょうか。)
先週4月16日には田中正道さんたちの市民運動「森友デモ実行委員会」が、
"このたび、私たちはこの森友問題の諸悪の根源である安倍晋三、昭恵夫妻に焦点を当て、忖度官僚を含め、市民の立場から刑事告発をすることを決意しましたことをここに表明致します。" (Facebookポストより)
ということで、直接告発人として名を連ねる人以外でも、賛同者として参加することができる方法で、一口千円で賛同者を募っていました(申し込みはメールで)。安倍政権の傲慢に憤りを覚える人が激増している折、期待した人は多かったと思います。私も応募しました。
すでに普通の政権だったら総辞職どころか首相を含め議員辞職に追い込まれるようなスキャンダルがもう何ダースも起こっているのに潰されない。マスコミが政府批判に見せかけた虚偽の支持率報道で支援し、「安倍一強」教が蔓延するようになりました。(本当の支持率が公表されたら、あるいは国会答弁のデタラメさがNHKで普通に定時ニュースで詳しく報道されたら1日も持たない政権です。)
ただ残念ながら、国会会期中は安倍らに「係争中」と逃げられたら、野党による森友疑獄追求ができなくなるということで、「日本会議の研究」の著者で森友学園の籠池元理事長インタビュー成功で名を挙げた菅野完氏から待ったがかかりました。議会制民主主義を守るため、という大義名分。これが4月18日のこと。ツイキャスライブ・録画でちょっとした修羅場が確認できます。
(ちなみに、菅野さんは田中正道さんが主催した3月25日の浦和での講演会で熱弁を振るい、これがなかなか好評でFacebookで拡散されていました。このときのお二人の出会いは和やかな雰囲気に包まれていたのです。)
告発取り下げを求められ、最初は抵抗していた田中正道さんですが、この後、菅野氏らの忠告を受け入れ、4月20日に予定していた安倍昭恵・夫人付き公務員に対する告発状提出は、国会会期の先に延期することが決まりました(…というか、告発する相手を誰に絞るかも賛同者募集時点では明確にされていませんでした。「森友問題の諸悪の根源である安倍晋三、昭恵夫妻に焦点を当て、忖度官僚を含め、市民の立場から刑事告発をすることを決意…」というだけで。)。
そして21日朝にはメールとFBポストで状況の変化と告発延期を賛同者らに伝える誠意あるメッセージが流されました。
あまりの国政私物化と、マスコミ報道操作にうんざりしている国民は多いはずで、私なども当面の延期は仕方ないけどあれだけ犯罪まがいのことをして裁かれないのも腑に落ちないと思っていた矢先、それとは別に、元大阪高検公安部長の三井環さんが安倍昭恵首相夫人と夫人付きの公務員を4月20日に告発したことがわかりました。(これを加計学園審議潰しと安易に批判するブログ記事も拡散されていますが、三井環さんの経歴を知っても同じことが言えるか疑問です。)
田中正道さんたちの「森友デモ実行委員会」は三井環さんには顧問をお願いして承諾してもらっていたそうですが、三井環さんはそれとは別に、市民連帯の会としての告発準備をしていたとのこと。下は田中さんがFBで説明しているポストです。
さて、ここでやっと、このブログ記事に見出しで取り上げた本論に入ります。
三井環とはどういう人なのか調べていて、成り行きでたまたま三井環事件のことを知るに至ったのですが、なんと、2002年に大阪検察局の公安部長として検察の裏金について内部告発を行おうとしていた直前に、でっち上げとも言える微罪で冤罪逮捕され、11ヶ月の勾留、そしてその後の裁判で敗訴して1年8ヶ月(実際には既に勾留されていた5ヶ月を差し引いて1年3ヶ月)の静岡刑務所での収監を経験した人で、しかもテレビ朝日のザ・スクープで特集されていた…ということを初めて知りました。
【偽装社会】三井環事件の真相【警察24時の裏】 「口封じ逮捕しなければ裏金がバレる」検事総長は黒い決断をした「三井環をデッチアゲ口封じ逮捕せよ」"けもの道"に入り込んだ検察
3時間もありますが、一番広く情報拡散された2010年5月16日放送分は最初の54分で、過去の放送など他の映像がくっつけてある様で、一部重複しています。三井氏が逮捕される直前に信頼していたジャーナリストに手渡したテープを元に取材・放送し、他2名の内部告発者らや、本人の無罪の証明をザ・スクープが行っている映像も出てくるので、できれば全部視聴してみてください。
日本全国の検察で一体何が起こっているのか、私たち全員が知っておく必要があります。政治や警察、マスコミとの繋がりも一部見えてきます。
2002年4月22日、辞表を出す覚悟で検察の裏金作りの内部告発をテレ朝のザ・スクープに電撃出演して、現役公安部長として行おうとした矢先に懲戒免職で収入や退職金への権利を断たれ、でっち上げの微罪で検察とマスコミ、そして裁判所に人権を奪われて拘置所と刑務所で延べ2年余りを過ごした三井さんです。「命ある限り」国家権力の犯罪と闘うと誓うからには、私たちに想像のつかないような次元の信念があるでしょう。
ザ・スクープのようなメジャーな番組で、しかも鳥越俊太郎氏と長野智子氏という知名度の高いキャスターの特集で知らなかったなんて私ぐらいだろうと思ってとりあえずFacebookに貼りました。21日未明のこと。いいねClickをされるぐらいでシェアはされないだろうなぁと思いながら。が、意外にも「(三井環事件そのものを)知らなかった」という人や、知っていたけど当時の三井氏極悪人報道のマスコミ情報をずっと信じていたという人が続出で、YouTubeの画像も表示されていないのに次々とシェアされました。
ザ・スクープは三井環氏が逮捕のために出演ドタキャンせざるを得なかった2002年4月22日当時、すでにローカル番組扱いで、秋には番組終了が決まっていたようです。その後、単発的に2~3時間の長編でザ・スクープスペシャルが放送されるようになっていて、2010年5月16日放送で8年前の約束通り、三井環氏にインタビューを行ったというわけです(実際のインタビューは8年前の生中継放送予定日と同じ4月22日に行われています)。
当時の捜査や報道、判決、森山真弓法相(当時)の会見のデタラメさが分かるようなテレ朝の取材には驚かされます。闇の権力がこういう番組を妨害せずに報道させるというのはガス抜きと見せしめを兼ねているのかもしれませんが、それにしても国家権力に真っ向から楯突いたらどういう目に遭うか、私たちはある程度見てきています。社会的に抹殺されるか、文字通り殺されるか、です。
ただ、他の内部告発者らの話ににじみ出ていますが、検察内でも恐らく多くの人は、こんな馬鹿馬鹿しい裏金犯罪の伝統に加担させられるのは屈辱的でできればやめたいと思っているわけです。上層部だけが享受するという高級料亭やクラブでのどんちゃん騒ぎでも、本当に楽しんで参加している人はどれくらいいるのか疑問。ひょっとしたら、権力を持っている側にも、ザ・スクープの報道を実効させたかった人がいたのかもしれない…と思いたくなります。
検索してみると、当然ながら三井環事件についても注視していたネット民は全国にいたようで、阿修羅では2010年5月16日当日に、ブログ記事で取り上げていたんですね。他のブログでも多数が同じ頃にとりあげています。
【速報】「ザ・スクープ・スペシャル31弾」鳥越俊太郎氏VS三井環氏(元大阪高検公安部長)
そんな阿修羅も2002年4月22日、ザ・スクープに出演できずに三井氏が逮捕された日には、マスコミ報道をそのまま掲載していました。コメントもないので注目されていなかったかもしれません。ADSLが普及し始めたばかりの頃なので、インターネット利用者もものすごく少なかった頃です。
市民連帯の会のホームページもその頃作られたようで、かなり古いHTMLサイトの構成になっていますが、最新情報を眺めていると、ここ3、4年ぐらいでSNSや独立系メディアで表に出てきた日米合同委員会や石井紘基氏殺害の真実などは、元はと言えば三井環氏(ペンネーム"道後泉")が発信者だったとわかりました。
船瀬俊介氏やフルフォード氏らの暴露が最初だったような印象なのですが、彼らは出典を出さずに喋りまくる手法なので、IWJなどが関係者にインタビュー取材するまでは信憑性に疑問符が付いていました。元検察官の三井環が発信者となると全然意味が違ってきますね。
ちなみに、2010年5月16日のザ・スクープではもう1つの特集を行っていて、それが元警察官の犯罪ジャーナリスト、黒木昭雄氏が追っていた事件と黒木氏の謎の自殺。(←YouTubeリンクです。)
三井環氏が最後まで検察を”愛して”いたように、黒木昭雄氏も最後まで警察を”愛し”、自分たちの仕事に強い誇りを持っていたといいます。だからこそ、組織浄化の一助となりたかったわけですが、このような人たちが検察官や警察官でいられるような国になることは、夢のまた夢なのでしょうか。それでも、こういう人たちが実際にこの国に存在し、三井環氏はまだ本気で闘い続けている、そのことは同時代に生きる者としては非常に励まされます。
戦後70年以上が過ぎ、老舗企業や役所はどこもかしこも二世だらけ、与えられた権力にしがみつく人間だらけになってきている社会。いま私たちはギリギリのところで地味に闘っているところですが、権力に媚びるマスコミの報道と、それを真に受ける人たちを連日みていると、本当に無力感にさいなまれる今日このごろ。とにかく、支持率報道の嘘を見抜ける国民が2割を超えてこなければどうにもならないんじゃないかと思えます。