2012年2月21日のエルおおさかで行われたパネル「いのちを守る脱原発~ドイツx日本から世界へ」、後半の講演です。
お話は、来日中のドイツ連邦議会議員(左翼党)のドロテー・メンツナーさん
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★(略歴)エネルギー政策スポークスマン、環境・自然保護・原子炉安全委員会 ゴアレーベン調査委員会(ゴアレーベンはドイツの放射性廃棄物の埋設予定地)反原発および非軍事化運動、反ファシズム運動に注力。
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講演のテーマは「ドイツが脱原発できたわけ」ですが、今でも推進派と日々闘っていることを実感しました。SNS内ではドイツが脱原発を完了している印象を与える記事が出回りますが、日本と同じくメジャーな工業国であり、電力会社の力はまだ侮れません。
以下、走り書きメモ。
●1つの原発で広島原爆の1000倍の放射能、それが17機もある。
●ドイツは70年代から人々の関心が高く、1995年に社会民主党とみどりの党などの結束により、再生可能エネルギーは誰でも作ったり売ったりしてもよくなった。
●原発の電力使用は減っていたが、2009年政権交代によって、政府は原発に戻る事を宣言。原子力がなければ電力の安定供給ができないと説明。2010年に現政権が、停止中の原発の運転再開を決定。8割の国民は原発に反対していたが、ドイツの4つの大きな電力会社が政権に働きかけたため。
●2011年3月11日に福島第一原発での事故が起こって、政府は脱原発宣言をした。これは16の州議会での議席を失うことを恐れてのことだった。
●福島の事故により、古い8機を3月中に停め、残り9基は2022年までに全停止すると宣言したが、それ以前に既に古くて停まっていたのもあり、2022年までという長い期間を思えば実際には何も変わっていない。
●脱原発宣言後も電力会社は脅しや圧力をかけ続けているが、昨年は20%を再生可能エネルギーで供給達成した。
●原発は電力が足りているのに、全くカネのためだけの存在である。
●党としては、2022年では遅すぎると前倒しを求めている。
●ブラジルへの輸出の案件が出ているが、徹底してやめなければいけない。
●今朝のニュースでベラルーシの首相が日本の原発を買いたいと言っていた。ウラン採掘問題も全部併せて拒否せねばならない。
●再稼働のターゲットになっている大飯原発を止めると2022年より前倒しが可能になり、輸出しにくくなるかもしれない。
質疑応答
●原発に関する優遇政策について、ドイツの4電力は日本ほどではないが優遇されてきた。
●脱原発は大きな目標だが、4電力の力を削がないと、半分しか目標達成できない。再生可能エネルギーには4電力はほとんど投資してこず、個人などが投資してきた。
●再生可能エネルギーの利点は、太陽や風はどこにでもあるということ。石炭の運ばれる港を選ぶなどという必要が生まれない。送電のムダも少ない。地域での発電が重要となる。
●UNHCRに2011年12月に来てほしいと頼んだが、政府が2012年11月に延ばした。[←何の件だったか不明。難民が関係しているはずですがw]
●政府が洋上発電を計画しているが、それでも個人がやっていける。
●本当の意味での脱原発に向かって共に戦わなければならない。
●ドイツの4電力もまだ政府に原発利用を働きかけており、国民は大きな関心を持っている。ドイツもまだまだ脱原発のため論証をしていかないといけない。
今、来日2週間の旅の終わりにここに居ますが、また来ます。
使用済み核燃料をどうするかは次回にお話します。
メンツナーさん講演メモおわり。
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ドイツ全体がまだこのように流動的な中で、小さな町が原発を止め、エネルギー自治を獲得した事例である「第4の革命 エネルギー・デモクラシー」は、ぜひ視聴して下さい。(英語のみFacebook内に無料埋め込み動画「The 4th Revolution - Energy Autonomy」があります。)
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肥田先生とメンツナーさんの間で、もうひとりのパネラーの「アイリーン・美緒子・スミス」さんのトークが少しあったので、そのメモを追加します。
なぜ、「ドイツx日本から世界へ」というテーマなのかが理解できます。
●今、311後最初の再稼働として狙われている大飯原発3号4号を止めなければいけない。この再稼働を止めることができると、311の知見を生かす証明になり、次に再稼働が狙われている伊方原発や玄海原発にもいいプレゼントになる。(福一から既に西日本の海まで汚染されてしまったというのに四国や九州の原発を稼働させるなど正気の沙汰ではありません。)
●保安院への質問などもたくさん準備し、再稼働をできなくしていく。再稼働阻止に賛同した議員には支援の電話をかけ、まだ署名していない議員に対して働きかけていく。
●大飯原発の再稼働阻止が実行できれば、ドイツへのプレゼントにもなる。ドイツ・日本という2つの工業国が原発を止められると、世界に対して大きなメッセージとなる。
とのことです(メモおわり)。そういえば「電力の安定供給」というキーワードは家庭よりも製造業とセットで語られ「ケイザイが~」と似非経済評論家が原発容認を気取るわけです。
実際、推進派はあの手この手でマスコミも駆使して盛り返してきており、米国は34年ぶりに原発を新設することを決定... などという福島事故の被災者の神経を逆なで(どころか、どこまで日本を馬鹿にしたら気が済むw)とも思えるような暴挙に。とはいえ、米政府に対する一番大きな抵抗勢力も米国内に存在するわけですが…。

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お話は、来日中のドイツ連邦議会議員(左翼党)のドロテー・メンツナーさん

★(略歴)エネルギー政策スポークスマン、環境・自然保護・原子炉安全委員会 ゴアレーベン調査委員会(ゴアレーベンはドイツの放射性廃棄物の埋設予定地)反原発および非軍事化運動、反ファシズム運動に注力。
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講演のテーマは「ドイツが脱原発できたわけ」ですが、今でも推進派と日々闘っていることを実感しました。SNS内ではドイツが脱原発を完了している印象を与える記事が出回りますが、日本と同じくメジャーな工業国であり、電力会社の力はまだ侮れません。
以下、走り書きメモ。
●1つの原発で広島原爆の1000倍の放射能、それが17機もある。
●ドイツは70年代から人々の関心が高く、1995年に社会民主党とみどりの党などの結束により、再生可能エネルギーは誰でも作ったり売ったりしてもよくなった。
●原発の電力使用は減っていたが、2009年政権交代によって、政府は原発に戻る事を宣言。原子力がなければ電力の安定供給ができないと説明。2010年に現政権が、停止中の原発の運転再開を決定。8割の国民は原発に反対していたが、ドイツの4つの大きな電力会社が政権に働きかけたため。
●2011年3月11日に福島第一原発での事故が起こって、政府は脱原発宣言をした。これは16の州議会での議席を失うことを恐れてのことだった。
●福島の事故により、古い8機を3月中に停め、残り9基は2022年までに全停止すると宣言したが、それ以前に既に古くて停まっていたのもあり、2022年までという長い期間を思えば実際には何も変わっていない。
●脱原発宣言後も電力会社は脅しや圧力をかけ続けているが、昨年は20%を再生可能エネルギーで供給達成した。
●原発は電力が足りているのに、全くカネのためだけの存在である。
●党としては、2022年では遅すぎると前倒しを求めている。
●ブラジルへの輸出の案件が出ているが、徹底してやめなければいけない。
●今朝のニュースでベラルーシの首相が日本の原発を買いたいと言っていた。ウラン採掘問題も全部併せて拒否せねばならない。
●再稼働のターゲットになっている大飯原発を止めると2022年より前倒しが可能になり、輸出しにくくなるかもしれない。
質疑応答
●原発に関する優遇政策について、ドイツの4電力は日本ほどではないが優遇されてきた。
●脱原発は大きな目標だが、4電力の力を削がないと、半分しか目標達成できない。再生可能エネルギーには4電力はほとんど投資してこず、個人などが投資してきた。
●再生可能エネルギーの利点は、太陽や風はどこにでもあるということ。石炭の運ばれる港を選ぶなどという必要が生まれない。送電のムダも少ない。地域での発電が重要となる。
●UNHCRに2011年12月に来てほしいと頼んだが、政府が2012年11月に延ばした。[←何の件だったか不明。難民が関係しているはずですがw]
●政府が洋上発電を計画しているが、それでも個人がやっていける。
●本当の意味での脱原発に向かって共に戦わなければならない。
●ドイツの4電力もまだ政府に原発利用を働きかけており、国民は大きな関心を持っている。ドイツもまだまだ脱原発のため論証をしていかないといけない。
今、来日2週間の旅の終わりにここに居ますが、また来ます。
使用済み核燃料をどうするかは次回にお話します。
メンツナーさん講演メモおわり。
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ドイツ全体がまだこのように流動的な中で、小さな町が原発を止め、エネルギー自治を獲得した事例である「第4の革命 エネルギー・デモクラシー」は、ぜひ視聴して下さい。(英語のみFacebook内に無料埋め込み動画「The 4th Revolution - Energy Autonomy」があります。)
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肥田先生とメンツナーさんの間で、もうひとりのパネラーの「アイリーン・美緒子・スミス」さんのトークが少しあったので、そのメモを追加します。

なぜ、「ドイツx日本から世界へ」というテーマなのかが理解できます。
●今、311後最初の再稼働として狙われている大飯原発3号4号を止めなければいけない。この再稼働を止めることができると、311の知見を生かす証明になり、次に再稼働が狙われている伊方原発や玄海原発にもいいプレゼントになる。(福一から既に西日本の海まで汚染されてしまったというのに四国や九州の原発を稼働させるなど正気の沙汰ではありません。)
●保安院への質問などもたくさん準備し、再稼働をできなくしていく。再稼働阻止に賛同した議員には支援の電話をかけ、まだ署名していない議員に対して働きかけていく。
●大飯原発の再稼働阻止が実行できれば、ドイツへのプレゼントにもなる。ドイツ・日本という2つの工業国が原発を止められると、世界に対して大きなメッセージとなる。
とのことです(メモおわり)。そういえば「電力の安定供給」というキーワードは家庭よりも製造業とセットで語られ「ケイザイが~」と似非経済評論家が原発容認を気取るわけです。
実際、推進派はあの手この手でマスコミも駆使して盛り返してきており、米国は34年ぶりに原発を新設することを決定... などという福島事故の被災者の神経を逆なで(どころか、どこまで日本を馬鹿にしたら気が済むw)とも思えるような暴挙に。とはいえ、米政府に対する一番大きな抵抗勢力も米国内に存在するわけですが…。
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