311以来、小出先生とともに福島原発事故に関して的確なアップデートを提供して下さった、フェアウィンズのアーニー・ガンダーセン氏、2011年末に今後12ヶ月の私たちの課題について語って下さいました。これは決して日本だけの問題ではありません。
日本の有志らが提供した画像データなどもうまくまとめられており、非常に重要なプレゼンテーションです。
動画が視聴できない方のために、キャプチャ画像付きで和訳を挿入しました。(いつも字幕付き動画を公開して下さるJuneblokeさんら、フェアウィンズ翻訳チームの字幕用和訳を、ブログ用に少々編集。)
[ガンダーセン氏の語り]
今回は、今後の見通しについて。
三つの話題、①福島第一原発の今の状況、②日本、特に福島の住民の被曝、③放射性瓦礫について話します。
①福島第一原発の今の状況
野田総理は、「福島原発は冷温停止状態になった。収束したと考えられる」と表明しました。
IAEAは、「冷温停止し安定状態になったことを喜ばしく思う」
「日本の関係省庁を通して公式な情報筋から最新情報を得ている」
と言っています。
米国政府は、「我々政府はこのニュースをうれしく思う。日本政府は復興に向かい正しい選択をした」と述べています。
[初期のイラク戦争終了時の]ジョージ・ブッシュの「Mission Accomplished(任務達成)」という空母での演説を思い起こさせます。今では誰もがその後どうなったか知っています。
全くのウソで福島は長期戦であり、収束には程遠い状態です。
福島原発は安定状態にはありません。
このように、横にしたカップのてっぺんにあるのが動的平衡状態。転がり落ちる可能性があります。
カップ内の底にあるのが静的平衡状態で安定しており、これが冷温停止に当たるのです。福島第一はいつでも転がり落ちる、不安定な動的平衡状態にあります。
第一の問題は余震です。大きな地震により配水管が破断すると、40時間でメルトダウンに戻ると東電は言っていますが、これでは安定状態とは言えません。
冷却に使われている配水管は間に合わせのものです。
第二の問題は4号機。爆発と火災によりダメージを受け、また地震が来れば、燃料プールが損傷する危険があります。
もう一つの問題は作業員の被曝。
国際基準や本来の日本の基準よりもはるかに高い被曝限度となっています。
発ガンの可能性が劇的に上がります。賞賛すべき勇敢な人たちだが非常な危険に晒されているのです。
②日本、特に福島の住民の被曝
次は一般民の被曝についてみてみましょう。
事故直後1、2週間の被曝は測定していません。
測定値も外部被曝だけ。
ホット・パーティクルを吸い込むことを全く考慮していません。
事故直後、大量の放射性ガスが放出されました。
日本政府は、放出された放射性ガスは1立方メートル当たり1300ベクレルと発表しましたが、
内部被曝が計算にはいっていません。
マルコ・カルトフェン氏が示した
(シアトル、東京、福島の)車のエア・フィルタの写真を覚えていると思いますが
彼は人間の肺も同様に汚れていると話しています。
これはホットパーティクルが肺にダメージを与えているの写真。
たった一つの微粒子です。
スティーブ・ウィング博士のデータは、スリーマイル・アイランドでは事故後数年間で、肺がんが1割増えたことを示しています。
日本政府はなんと安全基準を緩めてしまいました。20ミリシーベルト未満の被曝なので避難地域で安全に生活できると言っています。
20ミリシーヘ・ルト=2000ミリレム米国核施設作業員の平均被曝量は年間1.8ミリシーベルト(180ミリレム)で、彼らは給料をもらっています。
日本では福島住民は10倍もの被曝をさせられて、しかも無給です。
③放射性瓦礫について
3つめの話題は放射性ガレキをどうするかです。
福島原発は、歴史上もっとも多い汚染水を海に垂れ流しています。
が、福島県とその周辺の放射性ガレキの問題を考えてみましょう。
福島県だけでも、少なくともニューオーリンズ・スーパー・ドーム33杯分に相当する、膨大なゴミをどうするのか。
東京郊外の学校で、芝生のシートに9万ベクレル/kgの汚染が見つかりました。
3月、4月には広げてあったものです。
環境庁は、なんと1キロの汚染シートを1トンのゴミと混ぜて焼却すれば、放射性セシウムは十分薄まると言っています。
日本の解決策は世界のどことも違います。米国なら300年間地下に埋めて管理します。
放射性物質は焼却炉の煙突から放出され、また灰にも残ります。
焼却灰は東京湾に投棄する計画です。
他国なら放射性廃棄物として管理されるべき焼却灰が東京湾の埋め立てに使われます。
これは実は合法です。
グリーンピースが推進しているロンドン海洋投棄規制条約は、
放射性廃棄物の(太平洋などへの)海洋投棄を禁止しています。
(東京湾では)これに違反はしませんが、もちろんその意図には反しています。
来年、グリーンピースなどが日本各地の焼却炉から広がる汚染や
太平洋に流れ込む汚染水を調査するでしょう。
これらの放射性ゴミの投棄を、IAEA(国際原子力機関)は大目に見ています。
-----
最後の問題ですが、誰がこれら住民の被曝や放射性ゴミの投棄を監視しているでしょうか。
東電はIAEAに監視下にあり、IAEAは放射能の許容レベルを決定します。
20ミリシーベルトという値はIAEAが容認しているのです。
IAEAと契約した27カ国が海洋汚染をモニタしています。
IAEAのトップは天野之弥、かつて日本で原子力を規制する立場にあった人物です。
IAEAの憲章第2条は次の通り。
「IAEAは、世界の平和と健康、繁栄のため、原子力による貢献を広げ加速することに努める」
つまり本来原子力を規制すべき人間が、実は推進している側なのです。
IAEAは国連の番犬組織だというが違います。
原子力を推進する国々により設立された組織であり、規制をしているわけではありません。
IAEAではなく我々市民がコントロールすべきなのです。根本の問題がここにあります。
汚染水は海へ垂れ流し状態、東京湾へのガレキの投棄と待ったなしの状況です。何とかやめさせなければなりません。
日本政府は東電が財務破綻するのを救うため、住民に被曝をさせました。
とてもフェアなトレードオフとは言えません。
日本を含め全世界の人たちが、インターネットを使って国際機関を正しく導くべきです。
東電のためにではなく、日本の市民のために。
これまでの寄付とボランティアの方々に感謝します。
よい新年をお迎え下さい。


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放射性ガレキで東京湾埋め立て,住民無視!
日本の有志らが提供した画像データなどもうまくまとめられており、非常に重要なプレゼンテーションです。
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[ガンダーセン氏の語り]
今回は、今後の見通しについて。
三つの話題、①福島第一原発の今の状況、②日本、特に福島の住民の被曝、③放射性瓦礫について話します。
①福島第一原発の今の状況
野田総理は、「福島原発は冷温停止状態になった。収束したと考えられる」と表明しました。
IAEAは、「冷温停止し安定状態になったことを喜ばしく思う」
「日本の関係省庁を通して公式な情報筋から最新情報を得ている」
と言っています。
米国政府は、「我々政府はこのニュースをうれしく思う。日本政府は復興に向かい正しい選択をした」と述べています。
[初期のイラク戦争終了時の]ジョージ・ブッシュの「Mission Accomplished(任務達成)」という空母での演説を思い起こさせます。今では誰もがその後どうなったか知っています。
全くのウソで福島は長期戦であり、収束には程遠い状態です。
福島原発は安定状態にはありません。
このように、横にしたカップのてっぺんにあるのが動的平衡状態。転がり落ちる可能性があります。
カップ内の底にあるのが静的平衡状態で安定しており、これが冷温停止に当たるのです。福島第一はいつでも転がり落ちる、不安定な動的平衡状態にあります。
第一の問題は余震です。大きな地震により配水管が破断すると、40時間でメルトダウンに戻ると東電は言っていますが、これでは安定状態とは言えません。
冷却に使われている配水管は間に合わせのものです。
第二の問題は4号機。爆発と火災によりダメージを受け、また地震が来れば、燃料プールが損傷する危険があります。
もう一つの問題は作業員の被曝。
国際基準や本来の日本の基準よりもはるかに高い被曝限度となっています。
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②日本、特に福島の住民の被曝
次は一般民の被曝についてみてみましょう。
事故直後1、2週間の被曝は測定していません。
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ホット・パーティクルを吸い込むことを全く考慮していません。
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日本政府はなんと安全基準を緩めてしまいました。20ミリシーベルト未満の被曝なので避難地域で安全に生活できると言っています。
20ミリシーヘ・ルト=2000ミリレム米国核施設作業員の平均被曝量は年間1.8ミリシーベルト(180ミリレム)で、彼らは給料をもらっています。
日本では福島住民は10倍もの被曝をさせられて、しかも無給です。
③放射性瓦礫について
3つめの話題は放射性ガレキをどうするかです。
福島原発は、歴史上もっとも多い汚染水を海に垂れ流しています。
が、福島県とその周辺の放射性ガレキの問題を考えてみましょう。
福島県だけでも、少なくともニューオーリンズ・スーパー・ドーム33杯分に相当する、膨大なゴミをどうするのか。
東京郊外の学校で、芝生のシートに9万ベクレル/kgの汚染が見つかりました。
3月、4月には広げてあったものです。
環境庁は、なんと1キロの汚染シートを1トンのゴミと混ぜて焼却すれば、放射性セシウムは十分薄まると言っています。
日本の解決策は世界のどことも違います。米国なら300年間地下に埋めて管理します。
放射性物質は焼却炉の煙突から放出され、また灰にも残ります。
焼却灰は東京湾に投棄する計画です。
他国なら放射性廃棄物として管理されるべき焼却灰が東京湾の埋め立てに使われます。
これは実は合法です。
グリーンピースが推進しているロンドン海洋投棄規制条約は、
放射性廃棄物の(太平洋などへの)海洋投棄を禁止しています。
(東京湾では)これに違反はしませんが、もちろんその意図には反しています。
来年、グリーンピースなどが日本各地の焼却炉から広がる汚染や
太平洋に流れ込む汚染水を調査するでしょう。
これらの放射性ゴミの投棄を、IAEA(国際原子力機関)は大目に見ています。
-----
最後の問題ですが、誰がこれら住民の被曝や放射性ゴミの投棄を監視しているでしょうか。
東電はIAEAに監視下にあり、IAEAは放射能の許容レベルを決定します。
20ミリシーベルトという値はIAEAが容認しているのです。
IAEAと契約した27カ国が海洋汚染をモニタしています。
IAEAのトップは天野之弥、かつて日本で原子力を規制する立場にあった人物です。
IAEAの憲章第2条は次の通り。
「IAEAは、世界の平和と健康、繁栄のため、原子力による貢献を広げ加速することに努める」
つまり本来原子力を規制すべき人間が、実は推進している側なのです。
IAEAは国連の番犬組織だというが違います。
原子力を推進する国々により設立された組織であり、規制をしているわけではありません。
IAEAではなく我々市民がコントロールすべきなのです。根本の問題がここにあります。
汚染水は海へ垂れ流し状態、東京湾へのガレキの投棄と待ったなしの状況です。何とかやめさせなければなりません。
日本政府は東電が財務破綻するのを救うため、住民に被曝をさせました。
とてもフェアなトレードオフとは言えません。
日本を含め全世界の人たちが、インターネットを使って国際機関を正しく導くべきです。
東電のためにではなく、日本の市民のために。
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