2016/5/7

  
  出かけていた。
  何時ものようにポストを勢いよく開ける。
  新築マンションやピザのチラシの奥に、存在感を感じさせる一枚のハガキがあった。宛名を確認し、裏返して、一瞬息を飲んで紺色のビニルを恐れる事なく、ええい!と剥がした。

  買い物袋を持ったまま、少し立ち尽くした。
  

 「4/8の検診ではASC-Hでした。4/18のHPVハイ     リスク検査も(➕)です。16型(➕)18型(➖)。組織二箇所では高度異形成を認めます。上皮内がんの一歩手前です。大きい病院を紹介しますので、電話をください。」


  と、書かれていた。 
  おいおい、16型って1番の問題児ではないか。そういう点では優秀なのか、いや違うって。
 
  ミレーナのことばかり考えていたので、一体どうしようかと、ハガキと暫く睨み合いをしたが、この瞬間も細胞はじわりじわりと大きくなっているのか!と怒りと似たような感情が湧いてきた。
こんなことをしている場合ではない。すぐにiPhoneを取り出し、まだ履歴に残されているS産婦人科に電話をした。名前、ハガキのことを伝えると、事務員から看護師に繋がった。少しトーンが暗いのが気になる。気にしている。

  「紹介状をお渡ししますので、来週の月曜日は いかがですか?病院の予約はこちらから入れておきます。朝一番だと8:30ですがその時間帯でいいですか?」

  はい。お願いします〜〜。と、私は心ここに在らずな返事をした。ハガキに書かれた忙しい時を眺めた。穏やかな時間は終わった。始まったのは、やほー知恵袋や発言こもち等検索をしまくる、とにかくどんな検査をし、どのような治療方法があるのか。そして、実際同じような方の体験記を読み漁り、大切な人にメールして、怖くない振りをして、iPhoneを置いた。

  気がつくともう日が暮れている。
  「ただいま」
  
  主人はやさしい。ウイルスとは大違いだ。