2016/4/18


   
  ピコーンピコーン。 
   私の番号がデジタル画面に点滅している。軽く深呼吸して、診察室へ入る。

   「雨さーん。ハガキに書いてたように、今日は組織も見てみるから。見る限りきれいなんだけどなあ。はい、パンチちょうだい。そう。ちゃんと足広げてて。」

   パンチ!?何!?
   痛みは無いが、へーんな違和感がある。以外と早く終わる20秒くらい。

  「今日ね、組織取ってるから出血あるけど気にしなくていいから。お風呂は湯船はダメよ。シャワーね。じゃあ、降りてから説明するわ。ゆっくりでいいわよ、隣の扉から来てちょうだい。」


  凛とした声と女性医師らしい優しさに涙が滲んだ。ハンカチで軽く、「おい涙、絶対でてくんじゃねーぞ」と拭いた。扉を開けると、今日も金のアクセサリーを身にまとったM先生がカルテにスラスラとペンを走らせて待っていた。爪はラメはなく、パステルのブルーだった。「あら、色お揃いね」なんて言いながら。私も大体ブルーなのでなんだか嬉しかった。



  「はーい、座って〜〜」
  「失礼します。」
   「ハガキ、びっくりしたでしょ?こういう結果よくあるのよ。」
    看護師さんに、あれ持って来てと伝え、子宮頸がんのレジュメを受け取り、デスクの上に広げる。異形成になるまでの流れ、ウイルスの型の説明などしていただいた。

  「雨さんの場合、まだ結果が出ていないからなんとも言えないけど、またハガキ送るから、穏やかに待ってて。落ち込んだりしても時間の無駄よ!ミレーナの件はこの検査次第だわね。じゃあ、お大事に〜〜」

  いつも私の瞳の奥にある瞳孔を見ながら話しをしてくれる。この人大好きだ。よしわかった。落ち込まない。

  支払いを済ませ、いただいたパンフレットをバッグの中に丁寧に仕舞う。靴を履く。外へ出る。


  買ったばかりの新車に乗り込む。
  ケータイで、「子宮頸がん」と検索をかけてみたが、やめた。ローソンでプリンで買って帰ろっと!きっと大丈夫だもん!