暖冬が続いた新潟の今年の冬も、前日はいきなりの積雪30cm。
吹雪状態ということで、お天気が心配でしたが、当日は気持ち良いくらいの晴天！
東京駅7時発の新幹線でトンネル抜けたらいきなりの雪景色。雪国に来たんだなぁと美しい自然を目の前に感動。
長岡駅には9時半くらいに到着し、そこから車で高速に乗って約1時間弱。
【チューリップ】
ユリ科の球根植物
別名 鬱金香(ウコンコウ)
お忙しい中、出迎えてくださったのは
山田信義さん
JA新潟みらいしろね切花部会
部会長さん
お父様の代から40年。
ご自身は25年、生産されています。
とても真面目な方で、話しやすく、専門用語も分かりやすく説明くださいました。
情報共有に熱心で生産者さん側、花屋側との話しも出来ました。どのようなチューリップが求められているのか？葉の痛みはこれではNGか？チューリップ業界での品種の生産などなど。
時間が許せばもっと話していたかったくらい居心地の良い時間でした。
まずはご自宅の目の前にあるハウスへ案内して頂きました。
8cm間隔で2万球の球根が綺麗に植え付けされています。
ご家族とシフトのスタッフさん4人で鎌で1つ1つ穴を開けて1球ずつ手植え。
チューリップの球根を園芸店やホームセンターなどでお見かけした方もいるかと思いますが、結構小さいです。細かい植え付け作業はかなりの集中力が必要です。
植え付けは10月上旬から始まります。
この時に植え付けたチューリップは年末用。
つまりお正月にも飾れるお花として出回り、1番早く店頭に並ぶのです。
成長が早い品種(ユリ咲きなど)は60日くらいで採花、遅い品種は70日から80日。
球根はオランダから20万球ほど仕入れます。
山田さんが生産している品種は20品種くらいです。
JAみらい農協しろねさんからの品種は150品種です。
しろねのチューリップ生産者さんは現在30人。
それぞれの生産者さんが好きな品種を生産しているそうです。
ハウスの温度は基本12℃。
水やりは球根の間に冠水チューブを通しています。病気の原因になるので、上からの水やりは行ないません。
土壌消毒して、植え付けする前にも球根消毒をします。
植え付け前の作業として、皮むきがあります。
皮むき??
最初聞いた時はなんの事？と思いました。
チューリップの球根は薄い茶色の皮が球根を守っているのです。
玉ねぎのまわりの薄い茶色の皮と言ったらイメージしやすいかも知れません。
その茶色の皮を手作業でひたすら剥きます。
サイズと量を考えるとかなり根気がいる作業です。
なぜその作業をするのかというと、発根をしやすくして、根の成長を助ける為です。
作業中に、芽に当たるとキズ物になるので細心の注意が必要です。
白球根にするのは繊細な手作業です。
改めて見ると、確かにハウスに植え付けされている球根は全て白球根でした。
葉が伸びてくるとホルモン処理をします。
これは1つずつピスター(動物の予防接種で使う注射)を使い、葉の2枚目に1mlくらい注入します。
なぜ葉の2枚目かというと、そこに花がいるので蕾を大きくして花の肥大、成長促進を助ける為だそうです。
ピスターではなく、ホルモン剤を散布する生産者さんもいます。
大きな花を作る為の大切な作業です。
私が1番驚いた採花方法。
球根ごと抜き取ります！
球根は再利用せず廃棄します。
品種ごとに布に包んで2℃管理の冷蔵庫に保管。
その後に機械を使って球根を取る作業。
上からチューリップを入れて球根を挟むと気持ち良いくらいスパンスパンと切れていきます。
その後は前処理剤が入った容器へ。
200倍に薄めた容器は2時間。
500倍に薄めた容器は8時間。
現在、この作業は日本全国のチューリップ生産者さんが行っています。
前処理剤を使って出荷されたお花は、ご自宅で飾る時に後処理剤を使うとお花の持ちが歴然と違います。
お花屋さんで購入したチューリップ、ぜひ後処理剤を入れて飾ってみてくださいね！
驚くほど長く楽しめますよ！
気温で花びらが180度開いたり、閉じたり。
その様子も可愛いので楽しんで欲しいです。
山田信義さんはチューリップ生産以外にはケイトウ、桃、梨、お米を生産しています。
お邪魔したこの地域は果樹が有名で、時期になるとあちこちで美味しい桃や梨を購入出来ます。
その季節にまた来たいなぁ。
そして、新潟といえば米どころです！
昔昔、田植えが終わって空いたお米の育苗ハウスをチューリップのハウスとして再利用。
その後チューリップの人気が高まり、だんだんとチューリップ生産が盛んになって今に至るそうです。
白根のチューリップ。
日本全国1位の有名産地です。
ズバリ
山田信義さんの好きな品種は？
う〜ん、なんだろうなぁ…
しばらく考えた後に
ピンクダイヤモンド
光沢のあるピンクで、この色が可愛いから。
ピンクダイヤモンドはロングセラー。
昔から店頭に並び、たくさんのお客様に愛されてきたチューリップです。
香りのあるチューリップにオレンジのバレリーナがありますが、山田信義さんのハウスに【サンネ】という、とてもとても可愛いくて優しい甘い香りのチューリップ発見！
私のお気に入りのチューリップになりました！
本当に可愛い！
産地見学をすると知らない品種に出会えるという幸せ！
来て良かった！
心の中でガッツポーズ！
お花の絵を描いてみて！と言うとチューリップの絵を描く人が多く、知名度も高いお花。
春のお花の代表選手。
チューリップが店頭に並ぶと春が来たなぁと嬉しくなります。
親指サイズの球根付きチューリップ【テタテ】
花びらの形もユリ咲き、パーロット咲き、フリンジ咲き、シングル、八重咲き…色も豊富。
お気に入りのチューリップをぜひ見つけて飾って欲しいです！
旬のお花をぜひご自宅に！
1本でもお花のある暮らし。
とても素敵だと思います。