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葛の葉がガードレールを乗り越えて迫ってくる
一年中元気な葛だけど、やはりこの季節は生き生きしている
というか、妖気すら漂わせている

恋しくば   尋ね来てみよ 和泉なる  信太の森の  うらみ葛の葉

私のあこがれ、安倍晴明のお母さん(キツネ)が、正体がばれて幼い清明の元を去るときにのこしたという歌だそうな
子供を置いて行く時は、昔も今も良い人間も悪い人間も多分辛い。と、思いたい気がする。私は自分の勝手で子供と離れて暮らしていたが、そんな人間でも子供が乗った飛行機の尾翼をなでなでしに走って行きたくなるのだ。それは自分の薄情さを埋め合わせる自己満足かもしれないが。

晴明の事など知らずに、私は母からこの歌を聞いた。なんでも、母が子供の頃父親と入った見世物小屋で、小さな女の子が逆さまになってこの歌をすらすら書くのを見て衝撃を受けたらしい。

今だと虐待なんだけど…


私も昔、お祭りの夜に平和大通に作られた見世物小屋に入った事がある
「恋しくば…」の女の子などはもちろんいなかったが、際どくインチキくさく、しかも息苦しいくらい妖しいのであった



古い道路や線路沿いでは、所によっては10メートル以上の高さまで見上げる高さまで葛に覆われている
その古さ、薄暗さは何か際どい秘密を隠しているようでなんとなく惹かれるのである