「寄り添う」なんていう言葉は、口に出すのは簡単ですが「行動」に移すことは本当に困難だと学びました。

 

2019年に発生したあの事件から5年が経過しました。

色んな複雑な思いを抱えたまま、

毎年手を合わせに行っています。

昨年は、妻子とともに夕方に行ったのですが、

今年は雨降る中、市議会へ登庁する前に現場に行きました。私が手を合わせていると

報道の方が数名いらっしゃいました。

コメントを求められたので、

ほんの数分ですがお話してきました。

事件後の2022年、

川崎市は「犯罪被害者等支援条例」を策定しました。

私は、川崎市が後発で同条例を策定することからも、

登戸事件を教訓として

「児童生徒のケアに力を入れた川崎ならではの

条例を策定すべきだ」と奔走してきました。

 

しかしながら、川崎市で出来上がったものは

他都市と同じレベルもしくはそれ以下の中身でしかない

条例となってしまいました。

私が所属していた「みらい会派」は、

私が当時団長を務めていたこともあり、

行政提出の条例案に児童生徒のケアに力を入れた

内容とするよう修正案を加えた上で議会にのぞみました。

しかし、結果は多数に至らず

原案通りの条例となってしまいました。

あのような凄惨な事件が起きた本市だからこそ、

その後の児童・保護者へのメンタルケアや

学業のサポートなど長期に渡る専門的な支援が

必要だと考えたから修正案が必要だと考えました。

事件発生後の初動の対応は

市も全面的にバックアップできたと思います。

しかし、本当に必要なことは、

犯罪被害に寄り添った長期的・継続的な支援が

必要だったと今でも考えています。

当時、私と一緒にサポートしてくれた市職員は

わずか数名でした。

しかし、そんな心ある職員のお陰で、

深い傷を負った被害者に少し光が差したところも

ありました。

私にとっての28日は、

事件を風化させたくないことは勿論のこと、

あの時の悔しい思いや忸怩たる思いを忘れずに

仕事に取組むための決意の日となっています。