日本ではディズニープラスで独占配信された「ファイアーアイランド」を観ました。
ファイアーアイランドはニューヨークのロングアイランドに実在してる島。
古くからゲイに人気のリゾート地として知られてるそうです。
そんなファイアーアイランドを舞台に、ゲイの主人公ノアとゲイ仲間が飲んで騒いでるうちにひと夏の出会いを体験する、ちょっとエッチ(ディズニープラスではR18)なラブコメムービーです。
主人公ノアはアジア系のアメリカ人。
レストランで働いてて、かつてのバイト仲間(みんなゲイ)と毎年ファイアーアイランドへ行っています。
困窮するほど貧乏ではないが金銭的な余裕はない、という経済状態。
それでも毎年家族同然の友人たちとの旅行は外せません。
島ではレズビアンのエリンの家に毎年泊まらせてもらっています。
しかし、エリンから「破産したから家を売ることになった」と告白され、これがファイアーアイランドでの最後の夏になってしまいました。
さらにエリンの家に到着するなり、ノアはスマホを落としてしまいます。前途多難・・・。
ノアは一夜だけの相手には困ってないし、それでいいと思っています。
当然ファイアーアイランドでも男は漁り放題、いっぱい楽しむぞとワクワクしています。
でも親友のハウイーはラブコメのような恋愛がしたいと言います。
ロマンチストなハウイーに「現実は違う」とノアは言います。
ノアとハウイーの恋愛観が違うのもおもしろいです。
ハウイーは真面目な性格で、ファイアーアイランドに毎年行ってるけどワンナイトはしたことがない模様。
ノアは色んな男性を見てきてるからか、一人にのめり込むなんてバカらしいと思ってます。
しかしファイアーアイランド最後の夏ノアはハウイーのために一肌脱ぐことに。
ハウイーがファイアーアイランドで理想の相手を見つけるまでノアは誰ともセックスしないと宣言します。
そんな時、パーティーで出会ったイケメンたち。
青いシャツを着たチャーリーに目をつけたノアはハウイーと仲良くなれるように夕日を見に行くことに。
チャーリーはとても気さくで優しい雰囲気。しかし一緒にいたウィルとクーパーがノアの邪魔をします。
ウィル役(一番右の人)は以前大好きだったドラマ「殺人を無罪にする方法」に出演していたコンラッド・リカモラ。
こちらでもゲイ役で出演されてました。懐かしい
次にチャーリーたちのパーティーに参加すると、彼らは超豪華な家に住み、ノアたちをバカにするような態度をとります。
チャーリーや周りの人(リッチなメンズ)はほとんど白人で、ノアや仲間に白人がいないところでアメリカが抱えてる人種差別をサラリと描いています。
ノアが働くレストランでもアジア系というだけで客から差別的な言葉をかけられ、ゲイの楽園でも差別を受けてしまいます。
しかしハウイーとチャーリーはとてもいい雰囲気。
二人でロマンティックな時間を過ごしたのかと思ったら、ずっとテレビ番組の話をして盛り上がっていた、とハウイーは言います。
ノアはそんなハウイーに「攻めか受けか聞いた?」とか「HIV予防薬は?」とか訪ねますが、ハウイーは早急に性的関係を持とうと思っていません。
そして自分に自信のないハウイーは「僕なんかを医者をやってるハイスペ・チャーリーが好きになるワケない」と尻込みします。
一方、ノアは愛想のないウィルの態度から「金持ちだから俺たちを見下してるんだ」と最悪の印象を持ちます。
チャーリーたちのパーティーでもウィルは別室でチャーリーに「ノアたちに近づくな」と忠告しているのを聞いてしまいます。さらに印象は最悪に。
だけどウィルが気になるノア。
アクシデントでウィルと長い道のりを歩く羽目になった時、いい雰囲気になってしまうんですよね・・・。
心の奥では気になってるのに偏見が邪魔して先へ進めない。
無愛想な態度や突っかかったりしてるうちに小さかった偏見が大きな誤解に変わっていきます。
ハウイーとチャーリーの関係も焦れったいけど、ノアとウィルの関係も焦れったいです。
かなりいい雰囲気だったチャーリーとハウイーですが、なんとチャーリーの元彼が島へやってきます。
チャーリーの友人・クーパーが気を回し未練が残ってる元彼をファイアーアイランドへ呼んだのです。
誰かに優しい人は皆に優しい。
元彼を無下にできないチャーリーを見て、傷ついたハウイーは家に帰るとノアに告げます・・・。
なんなん?チャーリー
目ではハウイーを追いかけてるのに、誰にも強く自分の気持ちを言えないチャーリーに「それは優しさとは言わないよ」と思いました。
傷心のハウイーがブリトニースピアーズの「Sometimes」を歌ってたけどめっちゃ上手かったです。
そして相変わらず後ろの二人が強烈。
この頃のブリちゃん好きだったなー。アルバムも買いました。
私は20数年前、「モーリス」や「アナザーカントリー」など、パブリックスクールに通うお金持ちのボンボンたちの恋愛に萌えまくっていました。
(それは今も一緒)
でもゲイはどの人種にも存在してて自由に恋愛する権利があるのです。
人種や職業、属するコミュニティでおこる偏見が時々描かれてて、ポップなラブコメ映画に仕上がってますが、考えさせられるところもありました。
ずっと夏はファイアーアイランドに来てエリンたちに会えると思ってたとノアが言った時、エリンが口にした
「永遠はない。変化は訪れるものよ。」
という言葉が印象的でした。
それはエリンの家だけじゃなく、ノアの気持ちも表しています。
気持ちは変わってもいいし、変わるべき。
勝手に思い込んだ偏見のせいで、せっかくの素敵な出会いが終わってしまうのは寂しいしつまらない。
相手の属性や態度で諦めてしまったらすべては終わってしまいます。
男性同士のセックスシーンなどエッチな場面もありますが、全体的にはラブコメでした。
後味スッキリなおもしろい作品でした。
もう一度観たいと思ったけど、先月末でディズニープラスを解約したんですよねー残念