前回、娘を電車に置いたまま下車してしまったことを泣きわめく娘に「お父さんには言わないで!!」と懇願する里沙子。
泣きじゃくる娘を見て里沙子は娘が赤ちゃんだった時、子育てに悩み、娘を床に落としてしまったことを思い出します。
それは彼女が封印していた記憶でした。
そのことを思い出した時、里沙子は娘の顔にクッションを押しつけようとしていたのです。
たまたま児童相談員・新庄が訪ねてきたので娘は無事でしたが、里沙子は「母親失格だ」と娘を旦那に預けて出ていきます。
旦那は娘を床に落としたことは知らなかったんですね。
児童相談員の新庄さん。
この人がいなかったら里沙子は救われなかったかもしれません。
新庄は家を出た里沙子の元を訪ねたり、旦那のところにも訪ねたり夫婦の間に入って「どうして子供が被害を受けるのか、その根本的な理由」を解決するために奔走してくれます。
この場合、単純に母親だけが悪いワケではなく「モラハラ夫や義母によって母親は精神的暴力を受けていた」ために動いてくれたのです。
実際、こんな夫婦の間に入ってくれるワケありませんが、本当はこういう人がいた方が防げる暴力や事件はたくさんあるんだと思います。
そんな中でも裁判には通う里沙子。
検察側からは水穂は懲役12年を求刑されてしまいます。
裁判員たちも水穂には反省が見られないと求刑が妥当だと考えていました。
すっかり生気をなくした里沙子は自分の意見を言わず、体調不良により途中で退席してしまいます。
ホテルにいると騒動を聞いた実母が訪ねてきます。
「かわいそう」を連発し、家に帰るように説得する実母に里沙子は「私をずっと自分のもとから離れないようにするために、私を否定し続けてきたんだ。この人は私を貶めるような愛し方しかできない人間なんだ。」ということに気づきます。
母親もまた子育てに悩んでいたんだと思います。
というか、悩んでない人いないんじゃないかな。
ラストは里沙子は裁判所に戻り、今までの自分を振り返り「被告人と自分はたくさんの共通点がある」と説明します。
相手を貶めて、傷つけて支配して、そうすることで自分の腕から出ていかないようにする。そういう愛し方しかできない人がいる。
こんな簡単なことにどうして気づかなかったのか。
それは里沙子のことでもあり、水穂のことでもありました。
それまでなかなか自分の意見を言えなかった里沙子が自分の隠したいことや情けない部分もすべて話す姿は賛同してくれなくてもいいから、意見を言うことの大事さを感じました。
そして判決。

水穂は懲役10年。
温情判決にはならなかったけど、里沙子の意見をじっと聞いていた裁判長は水穂の取り巻く環境に寄りそう言葉をかけます。
水穂が犯した罪は彼女が受けるのは当然だけど、そこに至るまでになった経緯は旦那や義母にもあり、彼らにも罪を共有するべき・・・みたいなことを言ってました。
すごい裁判長!!
それまで人形のような水穂が初めてポロポロと涙を流した場面で号泣です。
水穂も、傍聴していた里沙子も救われたんだなと思いました。
最後は娘と旦那が裁判所まで迎えに来ます。
ということは離婚しないのかー。
旦那も義両親もそうそう性格は変わらないと思うけど(;^ω^)
里沙子が復職したり、意見が言えるようになればまた環境が変わるのだろうか?
めちゃめちゃ暗いドラマだけど、地上波で放送してたくさんの人に観てもらいたい、そんなドラマでした。