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長年、茶人としても活動してきたからこそ感じてきた事だが、外国の方が日本の伝統の世界に入って来られるに至った原因は、一時期の日本人が自国の伝統文化に誇りを持たず、欧化主義に流され、技術や音楽、装束、習俗に至るまで、舶来のものはいけてるが日本のものはダサいという観念に毒された事にある。そして、日本の原風景を忘れ、ひたすら都会に憧れる人々は故郷を捨て都心に出、バベルの塔が如き空虚でしかない高層マンションでの生活を盲追し、土地を忘れた。

伝統工芸の匠の家系では、家業の継承が難しくなっている。

一例だが、一時期は正座をすると足が短くなる等と喧伝された事が原因かは不明だが、今では日本の伝統的佇まいの一つである正座すらできない者も多く、自宅に和室を持たぬ人も多い。
茶道人口も激減した。
茶道で喫する抹茶は殺菌効果や抗酸化作用が強く、健康にも美容にも良いものだが、正座は辛い、正座は健康に悪い、正座は短足になる、等等の批判を受け、衰退していき、その反面で、外国由来のフラダンスやヨガ等が健康や美容に良いともてはやされ、大流行した。
日本人の家から床の間が消え、華道はすたれ、フラワーアレンジメントがもてはやされた。
そんな中、日本の伝統は、日本より歴史の浅い外国の方々を深く魅了し、一般的な日本人よりも日本の伝統文化に精通する外国人も多い。
世界を魅了する自国の素晴らしい伝統と世界最長の歴史の中で紡がれてきた匠の技への誇りを見失った事を我々日本人は猛省せねばならない。