北京オリンピックは来年2月4日開催。
開催まであと僅か2ヶ月しか猶予が無いのだが、この土壇場に来て、開催国の中国にとって多くの災難が降りかかっている。
何よりも大きいのが、欧州で猛威を振るい始めた、とされる「オミクロン株」の存在。
日本では未だほぼ感染の被害は無いが、ヨーロッパやアフリカ等では多くの罹患者が出て、世界的に大きな混乱をきたしている。
複数のウイルス株が派生しそれぞれに名付けられているから、そもそものウイルスの発生源が忘れられがちであるが、元を正せば、世界を震撼に陥れているウイルスの発生元は、あと2ヶ月でオリンピックが開催される中国である。
そこにもってきて、このウイルスに現在も継続して世界中を苦しめられ続けている各国が、たとえオリンピックの為とはいえ、ご当地の中国へ入国するのは相当な勇気のいる事であろう。
よって、各国が選手団を北京に派遣できるのか否か、非常に厳しい現状となっている。
更に追い打ちをかけたのが、ここ数日メディアを大いに騒がしている中国女子テニス選手・彭帥氏が現地SNS「ウェイボー」に投稿したという告発問題だ。
彭帥氏が中国の前副首相との不倫を告発したのだが、その直後に当該投稿は削除され、更には、告発者の彭帥氏が失踪してしまったという事件である。
この場合、単に不倫告発のみであれば国際問題にまで発展する訳も無かったが、不倫を告発した彭帥氏がその直後に失踪してしまったのがまずかった。
このところの中国によるウイグル人権問題に対する国際的な中国批判と相まって、彼女の失踪の原因に大きな非難が中国政府に浴びせられたのだ。
実は、告発の対象となった張高麗氏は北京冬季オリンピックの開催へ大きな役割を担ったとされる人物であった為に、なんと北京オリンピックに深く関与する人物がよもや人権問題にも関与したのでは?との憶測も飛び交い、果ては告発された張氏本人までもが行方をくらましてしまう始末。
この告発失踪事件は、オミクロン株で暗い影を落としつつある北京オリンピック開催に対して、更に拍車をかける事になった。
そして、トドメとなったのが、中国の隣国である日本が全世界に対し11月30日0時より発令した1ヶ月の入国禁止措置だ。
この迅速にして思い切った岸田首相の英断は絶賛せねばならない。
未だ、ネット情報に惑わされて岸田内閣をこきおろしている保守層も、自分達が誤情報に翻弄され、保守層分断工作に引っ掛かられている事に気付かねばならない。
現時点で入国禁止は1ヶ月としているが、蔓延の状況によっては今月末から更にもう1ヶ月延長も大いに有り得る。
そうなれば、入国禁止措置が解かれるのは来年の1月末。
北京オリンピック開催日まで僅か数日しか残されておらず、こうなればもはや北京オリンピックは開催が不可能となりかねない。
ほんの少し前の一時期には中国一強であった世界情勢は大きく動き、今では中国は経済面に於いても瀕死の危機にある。
尚、行方が懸念される彭氏については、IOC のトーマス・バッハ会長が本人との約30分に亘るビデオ通話を実施し「安全かつ元気」と公表したり、中国の国営メディアや共産党系メディアはTwitterで、彭さん自筆のものだとするメールの文面を公開したり、会食時の動画をあげたりして、彼女の無事を伝えて、必死の抵抗を見せているが、いずれも静止画像しか載せておらず、その安否の確証には至っていない。
前回、日本で開催されたオリンピックでは森会長辞任等、数々の煮湯を飲まされた日本人の一人として、このままやられっぱなしのまま、ただでは済ませぬ、という思いがある。
次は中国にひと泡吹かせる番だ。
尚、新株の「オミクロン株」と聞いた時、一瞬「尾身クローン株?」と聴こえたので、第一報が耳に入った時は「しょうもない冗談(笑)」と耳を疑ったが、これはギリシャ文字で「15番目」という意味。
実は、変異株はこれまで最初の「アルファ」から12番目の「ミュー」まで確認されており、次は順当なら「ニュー」「クサイ」と続く予定であったにも関わらず、今回の新株は、順番を2つ飛ばして15番目の「オミクロン」と命名された。
ニューは(英語で『新しい』を意味する)「NEW」と混同されやすいし、「XI」つまり英語読みでの「シュー」は「中国の一般的な姓で習近平の姓と同じ「習」と同音となる。
「NEW」はともかく、世界を苦しめた株が「シュー」や「オミ○○○」等、何とも皮肉な巡り合わせである。
さて、あと僅か2ヶ月後で開催される
予定の北京オリンピック。
無観客開催か、延期か。
さあ、どうする中国!
セックススキャンダルによって中国の国家を撹乱し、その存続を左右した女性といえば、三国時代に董卓と呂布を手玉に取り義父子を殺し合いに追いやり董卓と呂布の野望を砕くのにひと役かった魔性の女性・貂蟬を彷彿する。
女禍ではあるが、ハニートラップは古典的な計略と言えよう。