「松山千春、同級生、故・阿部寿美雄さんを偲ぶ。」S11037

 

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◇更新履歴

V1.0:2023.6.19 初稿

 

◼️松山千春、同級生、故・阿部寿美雄さんを偲ぶ。

2023年6月18日 放送「松山千春ON THE RADIO」

 

---CM---

ま、実を言いますとね、福岡のコンサート終えて、ま、札幌に戻り、次は名古屋だなっていう前の晩、6月14日ですけど。

 

俺の、ま、高校時代、同級生。足寄高校、昭和48年度卒かな。に、あたるんだけどね。

 

親友だった阿部寿美雄。

寿美雄が、ま、病院で息をひきとりました。ああ、ショック・・・でしたね。

 

寿美雄は元気なヤツでしたからね。

ま、どっちかと言うと、ま、黙々と頑張るっというタイプでね。

 

ま、皆、分からないかも知れないけど、足寄ってすごい面積が広いんだ、な。

 

よくな、町長からね、子どものときからだぞ。「足寄は、面積は、香川県と同じぐらいの面積を持った町ですから」な。

 「それを誇りに持て」と言われてね。

俺は、その足寄の町の中でな、生まれ育ちましたけど、阿部寿美雄。

寿美雄は上螺湾か、ね。

 

もう奥へ、足寄の中心街から20何キロも離れて。ちょっと行けば、ま、オンネトーという湖と、あと阿寒湖な。

 

今だから話せるけどな。

寿美雄はさ。

ガキのときに、よく阿寒湖行って、まだあそこが公園指定される前の話のことだけどな。

 

マリモが流れ着いて、それを食ったらしいよ。

「寿美雄、お前よくそんなことできるな。で、味はどんなんだった」

「要は、その味の抜けた海苔みたいなもんだった」とかな。

 

あとは、それこそ猟銃を持ってね。

なんせヤツのとこは農家ですから、う~ん、鹿の駆除とかな、そんな寿美雄でも熊は嫌だって言ったな。

 

熊と、たまたま出会うことがあるらしいよ、鹿撃ち行っててな。「熊は一発で仕留めないとこっちがやられる。た、だから熊は苦手なんだよな」とかな。

 

高校に来て同じクラスで、まあ面白かったのは体育祭。

体育祭のときに、俺は長距離の方がいいから駅伝のほうに出て。

で、我がクラスは駅伝、優勝したんだ。で、グラウンドでは400メートルリレー、一人が100メートル走ってな。

 

で、ま、イトウっていうのが同級生にいて、こいつは足が速いんだ。

 

「じゃイトウ。お前、アタマから行け。寿美雄、大丈夫かお前。お前、アンカー頼む。ラスト頼むぞ」と言って400メートルリレーが始まりました。

 

そしたらやっぱりイトウ、速かったですね。そして二走、三走、ラスト・寿美雄。

 

頑張ったな。普段、無口な寿美雄がね、最後の直線、バアーっとトップで。

我がクラス、400メートルリレーも勝ったんだよ。

 

「やった。寿美雄、よくやった」って言ったら、あいつゴールして真っ直ぐ、そのまま坂の下まで行ってな、木にもたれてゲロを吐いてた。

ビックリした。

「お前、そんなに頑張ってたのか」

ねえ、そりゃお前、疲れたろう。

 

そして寿美雄、ホントに人のいいヤツだから、「お前さ。バスケット部のマネージャーじゃなくて、とりあえずお前、俺のマネージャーやってくれない」。

「あ、いいよ」。

で、寿美雄を待たせて、俺が山の中を走って来るんだよ。ま、ランニングに出るわけだ。で、寿美雄がずうっと待ってるわけだよな。

で、そんなことを半年ぐらいやってから、本当のバスケット部のマネージャーになって。

 

あいつだけだろう。

う~ん、壊れかけた古い俺ん家に入ったことのあるヤツは。

「寿美雄、うち電気、全部消えちゃったんだよ。オヤジも電気関係弱くて。お前、ちょっと来てくれないか」

「おお、いいぞ」

で、バッとうちに入るなりな、

「千春、ここに住んでんのか」

「お前、住んでんのかって、ここ俺ん家だよ」

「今どきの開拓農家でも、こんな家ないぞ」って言うぐらいボロな家だったんだけど。

 

ただブレーカーが、落ちてたっていうだけで。そんなことも俺、分かんなかったから、寿美雄がブレーカー上げてくれて。

 

あとはラワンぶきな。

足寄の一応名産品ラワンぶきは、寿美雄の家の前の畑にしかならないんだよ、でっかいやつは。

 

ちょうど、所謂ミネラル豊富な水がそこを流れてるんじゃないかっていう話しだったんだけどな。

 

だから、14日の日。

病院に駆けつけて、「寿美雄、バカだね、お前は。もうちょっと皆のために頑張ってくれればよかったのに。

 

けど俺たち、50年以上の付き合いだったな。ま、あの世に行っても元気に頑張れよ。俺はもう少し歌、歌ってっから。スミ、ありがとう」。

 

---CM---

 

そうやって考えたらさ。

今、ラジオをお聴きの皆さん。

50年以上の付き合いがある友達、なかなかいないと思うんですよね。

 

俺も、寿美雄と足寄で酪農やってる佐藤耕一。この二人ぐらいかな。

 

特に、寿美雄の場合は、高校を卒業してから音更の自動車工場で働いてたし。その後、螺湾に戻って農家やってて。

 

ま、子供が後を継いでくれるって言うんで、悠々自適とまではいかないけどな。

 

うん、札幌でもコンサート、毎回、顔出してくれたし。俺も欲しいものがあったら「おっ、寿美雄、こんなの欲しいんだけど」。

そういう仲だったからな。

 

余計に、ま、がっかりと言うか、もっと楽しいことができたのに、ってつくづく思うわな。

 

うん、あいつが下宿暮らししてて、俺がヤツの下宿に行ったら、その頃から、ま、高校生だけどな、タバコ吸って。

「千春も吸うか」

「バカ、俺はバスケットだぞ」

「ああ、そうだよな。悪りぃ、悪りぃ」そういう寿美雄が、うん、俺は誇りに思ってたし大好きな親友でした。

どうか皆さん、一週間、健康に気をつけられて、またこの機会を。

 

松山千春「慕情」

 

 

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