「松山千春 『あなたへの愛』に思うこと~松山千春 全作品解説317~」S3105NF

 

松山千春 DATA BESE 総合TOP PAGE NF   

アーティスト別 LIVE DATA BESE 総合TOP PAGE NF 

 

◇更新履歴
V1.0:2015.7.10 初稿

V1.1:2020.02.10 最新エディタにて記事を作成し旧記事と差し替えおよび所有のアルバム画像、歌詞を掲載、松山千春選曲コレクションアルバム『思い出』収録データを記載

V1.2:2020.03.15 松山千春コレクション『思い出』収録箇所の記載

V1.3:2020.10.12 記事の追記、是正

 

■ 「あなたへの愛」 編曲者:飛澤宏元
1986年5月10日発売のアルバム『あなたが僕を捜す時』のLP B面1曲目(CD 6曲目/全10曲)

 

◇松山千春選曲コレクションアルバム『思い出』  DISC2-の4曲目

 

◆所有収録CD・アルバム

◆所有収録アナログ・アルバム

◆所有収録ミュージックテープ

 

◆レコーディングミュージシャン

(楽曲個別ではなくアルバム『あなたが僕を捜す時』全体のクレジット
01. ギター(AG):笛吹利明
02. ドラム:見砂和照
03. ギター(EG):松原正樹、角田順
04. ベース:長岡道夫、渡辺直樹
05. キーボード:中西康晴、松田真人
06. ストリングス:加藤ジョー・グループ
07. コーラス:クレジットなし

 

 

◆2020.10.12 夢野旅人

2020年10月11日放送の「松山千春のON THE RADIO」で、今年4回目の弾き語りで、「あなたへの愛」が歌われました。
 

◆2015.7.10 夢野旅人

「写真」のレビューと重複しますが、リリース前の85年秋のツアーで弾き語りで披露されています。

 

僕の中では、「写真」と「あなたへの愛」は、対の印象があります。

~貴方と暮らした わずかな時間 

通り過ぎれば 楽しかったわ~「銀の雨」。

 

千春が20歳前後に書いた曲である。

すでに、~貴方と過ごした~ではなく、~貴方と暮らした~と綴られている。

 

~この部屋を出ていくならば 僕が背中 向けているうちに~

「雨上がりの街」で、今、女が部屋を出ていこうとする描写が綴られた。

ただ、男の立場から歌っているので、女の未練と恨みつらみは、さして感じさせない。

また、男と女の生活感ある言葉はない。


~洗濯物は机の上に 短い手紙そえていくわ~

~だけど二度とヘマはしない 貴方になんてつまづかないわ~

「恋」からなのでしょう。

現実味のある男と女の暮らしと、部屋を出ていく女の葛藤、心情を描くことができたのは。

 

~あの人に残す置手紙は 読まれることなく捨てられ~

~何年かけても忘れてみせるわ 楽しいことなど何ひとつ(置き手紙)~


~あなたへの靴を 揃えていたら こんなに泣いた はずなのに 何故

この部屋を出てゆこう  ドアにもたれて 泣くだけ泣いたら(あなたへの愛)~

そして、「置き手紙」と「あなたへの愛」も、その域に達しているのだろう。

 

「あなたへの愛」。

初演は、85年秋イレギュラーでの弾き語り。

その後、86年春(バンド)、96年後半(バンド)、01年春(弾き語り)、11年秋(弾き語り)などで歌われている。

 

この唄は、「恋」や「置き手紙」ほど、どんよりとしていない。

木造のアパートといったイメージもあまりなく、時代をあまり感じさせない。

メロディーも親しみやすい。

 

時代をあまり感じさせない。

と書いた「あまり」とは、部屋をでていく女性の無垢ともいえる純真さにある。

~あなたとの 愛だけは 心のすみで生きて~

今や、男にとって「古き良き時代の女性像」である。

 

「恋」や「置き手紙」、「あなたへの愛」さえも、もう似つかわしくない現代になってしまったのではあるまいか。

 

いやそうではない。

時代や女性のせいではない。

~あなたとの 愛だけは 心のすみで生きて~

昔も今も、そう女性は思っているのだろう。

 

~愛した数だけ愛される人はいない~
中島みゆきの「鳥になって」ではないけれど、

落ち葉の積もる窓辺は同じ場所。

 

心の片隅に生き続けている男は、

何人もの女性たちに想われているのだろう。

 

はあ。

きっと、自分のことなど皆、別れた瞬間、いやその前から抹消されたことだろう。

私が悪うございました。


ああ。
ひとりでもいいから、この「あなたへの愛」のように思われる恋愛ができていたのなら、男でいられたのなら、幸せだよなと、溜息交じりに思ったのです。

 

◆歌詞

あなたの声を 聞いてしまえば また同じことを くり返すだけ 
ここまでついて これたのだから・・・ 何度も 心に 言いきかせたわ 
この部屋を出てゆこう ドアにもたれて泣くだけ泣いたら 
思い出は 何ひとつ 持ち出したくはない 

気づいていたの 二人の愛が これ以上前に 進めないこと 
あなたの靴を 揃えていたら あんなに 泣いた はずなのに 何故 
この部屋を出てゆこう ドアにもたれて泣くだけ泣いたら 
思い出は 何ひとつ 持ち出したくはない 

ありがとう 何もかも 輝いていた 誰より何より 
あなたへの 愛だけは 心のすみで生きて 
あなたへの 愛だけは 心のすみで生きて

 

◆松山千春全作品に思うこと~松山千春全作品解説4~1985-1987

N現在、以下の検索ランキングにエントリーしています。
よかったら、アクセスして頂けると嬉しいです。

一日一回、ライキングポイントが加算されます。
よろしくお願いいたします。
  
  にほんブログ村     
    

アーティスト・グループ(音楽) ブログランキングへ
---------------------
YUMENO BLOG ~愛のうた:愛した季節の薫り  From the 1960s to 2020s Music Diary notebook~ 夢野旅人