「松山千春 『初恋』に思うこと~松山千春 全作品解説49~ V1.2」S2189/R


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◇更新履歴

V1.0:2014.03.06 初稿
V1.1:2014.09.10 シングル版と、『起承転結』収録版の違いを追記。

V1.2:2014.09.11 シングル版と、『起承転結』収録版の違いを追記および、レコーディングミュージシャンの追記。

■ 「初恋」 編曲者...松井忠重

1977年1月25日発売のファーストアナログシングル「旅立ち」のカップリング。


◆レコーディングミュージシャン(『君のために作った歌』の参加ミュージャン 「初恋」のみのクレジットはなし)

01. ドラム:宗台春男、渡嘉敷祐一
02. ギター(AG):金成良悟、石川鷹彦
03. ギター(EG):芳野藤丸
04. ベース:長岡通夫、後藤次利、高水健司
05. キーボード:大原繁仁、大谷和夫、栗林稔

その他(D32A0106)

01. プロデュース:山本詔治、竹田健二

02. ミキシング&リ・ミキシング:渡辺誠、佐藤広行
03. フォト:榎本敏雄

04. AD:岩田昭弘
05. D:渡辺康二
06. タイトル文字:松山千春

□2014.9.11 夢野旅人

改めて聴き比べてみました。

それぞれの演奏タイムは同じ。

『起承転結』の「初恋」は、イントロ時、ギターは右から聴こえていて、歌いだしとと同時に左にシフト。

『君のために作った歌』はその逆。 

こちらのほうが、エコーやレベルの、広がりと厚みがある印象でした。

気が付かなかったです。 まだまだだなと。


□2014.9.9 ちはぺんさん
ネットでCD(松山千春 1977~1979 COMPLETE-BOX)のホームページを見ていたら、 「旅立ち」「初恋」「卒業」の3曲はバージョンが違う2つの音源が収録されていると書かれていました。

「旅立ち」と「卒業」のアレンジがシングルとアルバムで違うのは知っていましたが、「初恋」も違うとは知りませんでした。

COMPLETE-BOXは持っていませんが、『君のために作った歌』と『起承転結』のCDは持っているので、早速、両者の「初恋」を聴き比べてみました。

はっきりわかるのが、楽器の配置の違いです。左右が逆になっています。音造りも異なるようで、シングルバージョンは素朴な音、アルバムバージョンは華やかな音に聴こえます。
「旅立ち」にも同じ傾向があるようです。

ファンのみなさんは既にご存知かもしれませんが、結構違っていてビックリしました。

□2014.3.6 夢野旅人

子供のころ、周囲の女子たちは「どうして千春は、わたしたち、女の子の気持ちが分かるんだろう」とよく言っていた。

男である自分。

もしも千春が、「かざぐるま」「初恋」「南風にのせて」といった女心を歌うだけのフォークシンガーだったら、

「ピエロ」http://ameblo.jp/chiharu1997/entry-11797483506.html 「君が好きさ」といった男の胸中にある純情、でも口に出したら気恥ずかしい歌ばかり歌うシンガーだったら、松山千春に興味は抱かなかっただろう。


メッセージソングと、彼のドラマチックな生き様が背景にあったからこそ松山千春に惹かれたといっても過言ではない。


「初恋」。

自分の初恋はいったい誰だったのかと思うときがある。

たかこちゃんなのかな、それとも、ちかちゃんだったのかな。

あのころ二人のことをどう思っていたのだろう。

思い起こすと、「ピエロ」や「君が好きさ」に出てくる煮詰まらない主人公の思いや行動となんら変わらなかったことに気づく。


さして「ピエロ」や「君が好きさ」は、もう恋愛の歌を超越してメッセージソングと化している。 それについては、それぞれのレビューで書きたいと思います。


「初恋」。

この曲になんら思い入れを抱かない。

だって、初めての男として、そんなに愛されたことないもん、きっと、ふーんだ。


思い出すのは、何度も話しましたが、かねこさん。
小学生二年生のときのバレンタイン。

恥ずかしさのあまり校庭を逃げまくったアホな子供。


かねこさんは泣いて帰り、女友達が、
「ゆめのくん! ゆめのくんのパンツあらってくれるの、かねこさんだけなんだからね!」と手渡されたラブレター。


ひとり、そっと開けると、

「ゆめのくんが、わたしのことを、キライでも、わたしは、いつまでも、ぜったいに、あきらめません。~だいすきですドキドキ


しかし、4月。

彼女とは別のクラスになったある日。
廊下で、彼女とすれ違った。

知らない男子と手を繋いで仲良く歩いてた。

動揺している自分に、あんた誰?という冷たい視線。

「かねこさん、そんな・・・ 『初恋』に出てくる女の意地はいずこへ」

松山千春の言葉。

「女は過去の恋愛を積み重ねはしない。一枚のキャンバスで恋愛を塗りかえていく」。

幼心にそう思った。


だから、

~男ごころの移り気と 女の意地を知りました~の歌詞にまったく共感できない。

逆なら・・・そう。

~女ごころの移り気と 男の未練 知りました~ならわかる。


でも思う。

かねこさんにとって、はたして自分は初恋の相手だったのかなと。

もしも、そうなら、どうしょうもないアホな子供が初恋の相手ですみませんでしたと。

女に恥を書かせてしまって、ごめんなさいと。


もうひとつ。

何十年と経った今でも、あの出来事を、かねこさんを思い出す自分。

これは、いつまで経っても忘れさせないという、かねこさんの女の意地だったのではないのかと。

女の意地とは、復讐を意味するのではないかと。


ああ、怖い。

女は少女のときから女なんだと思うわけです。

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